食べられる多肉植物の種類【アロエ、アガベなど】

多肉植物
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前回の記事では、我が家の寄せ植え鉢が、飼い犬のネモに食べられたお話をしました。で、犬が食べようとするくらいだから、食べられる多肉はあるんだろうかと思いまして、今回は食べられる多肉植物についてのお話です(下に続く…)。

なお、本サイトでは、植物の食用・使用によって生じるいかなる作用にも責任は持ちません。薬草として使用・服用する際には、必ず専門家にご相談ください

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食べられる植物、食べられない植物

植物には、当たり前ですが、食べられるものと食べられないものがあります。その区別は、きっと太古の昔から、私達の祖先となる人々が、ん、これ食べられるかな、と試行錯誤し、ある時は、「おぉー、これ美味しい!」という大発見をしたり、「やられた…」と命を落としたり、「調理すれば結構いけるぞ」と、加工をして食べられることに気づいたり(たとえばコンニャク芋を、最初にコンニャクにした人ってスゴイと思う)、そういう知恵の積み重ねが、今日の私達の食文化の礎になっているわけです。

食べられるサボテンがあるという話は聞いたことがあります。サボテンの本場のメキシコにはサボテン料理が存在しているし、サボテンの天ぷらって美味しいよって話も聞いたことがありました。ゼンマイのような山菜を天ぷらにする感覚だろうか(違う)。

で、食べられるサボテンって何よ、と早速調べてみました。

食べられるサボテン

調べたところ、サボテンの果実はたいてい食べられるらしいです。また、葉も食べられるという意味では、オプンティア(正確にはオプンティアの中のOpuntia ficus-indicaという種)と呼ばれるサボテンが食用に適しているんですって。

オプンティア・フィクス・インディカ(Opuntia ficus-indica)は、英語では、プリックリーピア(prickly pear)と呼ばれたり、スペイン語では、チュンベーラ(chumbera)、 イゲーラ(higuera)、パレーラ(palera)と呼ばれたりしています1

こういうサボテンです。

このサボテン、うちの近所に生えてるのにすごい似てる。誰か収穫して食べたりしてるのかしら。

食用にする部位によって名前も違っていて、緑の部分がノパール(Nopal)と呼ばれていて、赤くなっている果実の部分がトゥナ(Tuna)と呼ばれています。

緑の部分のノパールは、サラダや、お肉のソースにしたり、ジャムにします。

果実の部分のトゥナは、棘をきちんと取って皮を向いてから、りんごを食べるような感覚で生で食したり、ジュースやジャム、お酒にして、食します。

こういうサボテンを食べる文化は、南北アメリカ(とりわけ中米と南米)、イタリア(シチリア、南イタリア)、スペイン(カナリア諸島、スペイン南部)と広く存在するようですが、私の住むカタルーニャは、スペイン南部ではないので、残念ながら聞いたことはありません。メキシコ料理屋にあったりするのかな。

で、話をもとに戻しまして、食用サボテンが存在するならば、食用多肉も存在するのでは、と思い調べてみました。

食用になる多肉

最初に結論を申しておきますと、食用になる多肉はたくさんあります。中南米やヨーロッパ各地では、食用もさながら自然療法の薬草として用いられることが多かったようです。各種ハーブも薬として用いられますものね。

さて、ここでいくつかの例を見ていきます。

アロエ

食べられる多肉として、日本でもおなじみのアロエです。アロエヨーグルトがありますからね。あのプリプリっとした食感は何ともいません。

アロエといっても様々な種類がありますが、食用や薬効があると言われているのが、アロエベラ(Aloe vera)、キダチアロエ(Aloe arborescens)、ソープアロエ(Aloe maculataです。

アロエにはアロインと呼ばれる成分が含まれています。アロインは、皮膚の痛みを和らげる成分と言われてます。アロエのジェル部分は、患部に湿布することで、小さな火傷や湿疹、白癬に効果があると言われています。

また、アロインには便秘解消の効果があるので、下剤の成分として使われることがあります。が、子宮収縮作用があるので、妊婦の方はアロエを食すのは控えましょう

アガベ

アガベも食用多肉として有名ですね。アガベは、メキシコのお酒テキーラの原料でもあります。

アガベは、日本ではリュウゼツランとも言われます。原産地のメキシコでは、マゲイ(maguey)と呼ばれています。

アガベも、消炎効果、便秘解消、体重減少のような薬効があり、湿布のようにして傷口に貼ったりもするんだそうです2

そして、アガベは、葉っぱ、茎、お花、樹液も全て食用可能です3 。とりわけ、アガベから採取した樹液を煮詰めて作ったアガベシロップがその代表で、甘味料として使用されています。

また、アガベの樹液を発酵させてできたのがプルケ(Pulque)と呼ばれるメキシコの伝統的なアルコール飲料です。アルコール濃度は4%程度と言いますから、まさに多肉のビールですね。

さらに、アガベの樹液を蒸留させてできたのが、メスカル(Mezcal)と呼ばれる蒸留酒です。このメスカルのうち、特定のアガベの品種から法定産地で製造されているのが、かの有名なテキーラとなっています。

スベリヒユ

こちらは、日本でも一部の地域では食用とされている多肉植物、スベリヒユ(Portulaca oleraceaです。スベリヒユの園芸品種はポーチュラカと呼ばれ、こちらも食用できるようです。古代ギリシャ時代から食用されているようで、プリニウスの「博物誌」にも登場しているんですって。

スベリヒユといえば、日本の野山に生えている雑草、というイメージが強いですよね。日本各地にあるだけあって、食べられる雑草という知識がある方も結構いらっしゃるんじゃないかしら。調理方法も、地域によってバリエーションがあるみたい。干して保存食にしたり、サラダにしたり、おひたしにしたり、炒め物にしたり、うーん、スゴイ。

やはり薬効もあるようで、解熱、解毒、虫毒に効くとされ、葉の汁は虫刺されに効くらしいですよ4

ただね、スベリヒユと聞けば思いつくのが、スベリヒユ科アナカンプセロス属の多肉植物たち。アナカンプセロス属の多肉といえば、桜吹雪や吹雪の松がそれに当たります。うちにもあるよ、桜吹雪。

これは食べられるのかしら、食べる気はありませんが…。ですが、うちの飼い犬ネモは、何度もこれを狙ってくるんですよ。ついに、根こそぎ引っこ抜かれて全体をカミカミされましたから(5月29日の話)。ボロボロになった多肉を再び植えましたが、復活してくれればいいなぁ。というわけで、やはり食べられるのかもしれません…(少なくとも犬には魅力の多肉)。

スベリヒユ科といえば、アボニア属の多肉もそうでしたよね。あんまり食欲のわく外見じゃないけど、あれも食べられるのかなー、謎です。

ですが、アボニア・パピラケアという多肉(上の写真)は、伝統的な地ビールを作る際に利用されていたという記述を見つけたので5、やはり食用可能なのかもしれません。

長くなりましたので、後編に続きます。こちらからどうぞ。

食べられる多肉植物の種類 【朧月、ハウスリークなど】
食べられる多肉植物を片っ端から調べてみました。後編の今回は、食べられる多肉植物として、朧月、ゴーストプラント、莫邪菊、セダム・セディフォルメ、ハウスリーク、アイスプラントを紹介します。

 

 

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