食べられる多肉植物の種類 【朧月、ハウスリークなど】

前回より、食べられる多肉植物についての記事を書いています。前半はこちらから。

食べられる多肉植物の種類【アロエ、アガベなど】
食べられる多肉植物を片っ端から調べてみました。前編の今回は、食べられるサボテンと多肉植物のお話です。多肉植物は、アロエ、アガベ、スベリヒユを紹介します。

本日は、食べられる多肉植物の後編です。意外な多肉植物が、実は食べられるかもしれません(下に続く…)。

なお、本サイトでは、植物の食用・使用によって生じるいかなる作用にも責任は持ちません。薬草として使用・服用する際には、必ず専門家にご相談ください。

朧月(おぼろづき)

まず最初は、こちらの多肉植物。日本では朧月(おぼろづき)という名前で有名です。

英語では、ゴーストプラント(Ghost plant)と呼ばれています。学名は、Graptopetalum paraguayense、つまりパラグアイのグラプトペタルムという意味ですが、別にパラグアイ原産の多肉というわけではなく、実際はメキシコ原産です。

朧月って生で食べられるらしいのですが、日本では、食用の多肉として、グラパラリーフという名前で売られています。つまりグラパラリーフって呼んでるのは日本だけらしいです。グラパラリーフは商標登録されているので、許可なく「グラパラリーフ」を営利目的で栽培・販売することはできません1

とにかく、朧月と聞き、私はハッとしました。そう、我が家にもあるブロンズ姫(Graptopetalum bronze)は、朧月と、玉葉(Sedum stahlii)を掛け合わせてできたと言われているんですね。ブロンズ姫が食べられるかは謎ですが、我が家のネモ犬が派手に食い散らかしたってことは、実は食べられるのかも。美味しいかは謎ですがね、私には食べる勇気もないけどね。

莫邪菊(ばくやぎく)

ハマミズナ科のカルポブロツス属である莫邪菊(ばくやぎく)、学名はCarpobrotus edulisです。お花の色は、紫色のものとレモン色のものがあります。莫邪菊は、スペイン語ではネコの爪とも、ライオンの爪とも言われていますが、日本では食用昼顔という別名があります。その名のとおり、夏から秋にかけてイチジクのような果実が成り、果実がシワシワになったら収穫時。これをゼリーやジャムにして食べると美味しいそう。また、葉っぱも食べられるそうで、ピクルスの代わりに使ったりします。ただし、柿と同様タンニンが多く含まれるので、量はほどほどに2

ちなみに、この莫邪菊。痩せた土地でも育ち、繁殖力がハンパないのです。このため、スペインでは、生態系を脅かす植物として、2013年より販売、所有、輸送等が禁止されています3 。確かに、うちの近所の公園にも、近所のマンションの生け垣の根元にもありましたよ。生態系を脅かすほどだったとは、驚きです。

セダム・セディフォルメ

Sedum sediforme 1

お次は、セダム・セディフォルメと呼ばれるセダムの一種です。

セダム・セディフォルメ(Sedum sediformeは、地中海地域に生息する多肉植物です。スペインの俗名では「ネコのブドウ」、「羊飼いのブドウ」なんて言い方もされるようです。セダム・セディフォルメにも、薬効があると伝えられていて、とりわけ、胃腸炎や胃潰瘍などに効果があると言われています。また、直接湿布することで、皮膚の腫れや虫刺されにも効果があるとされています。ハーブティとして飲用されることもあります。

食用としては、新葉を採取して、軽くお鍋で煮て、ドレッシングをかけてサラダのように食べたりします4 。ですが、大量に食べると消化不良を起こすこともあるからほどほどに

ハウスリーク

ハウスリーク(Common Houseleek)は、日本ではヤネバンダイソウとも言われている、センペルビウム属の多肉植物です。葉の色は、緑から赤紫まで様々です。ヨーロッパでは、ジュピターのあごひげ、ネコのアーティチョークなどと呼ばれています。原産は、ヨーロッパ南部の山地(ピレネー山脈、アルプス山脈、アペニン山脈、バルカン半島)で、私の住んでいるスペインの在来種でもあります。

ハウスリークの学名は、Sempervivum tectorumですが、これは「いつも屋根にいる」という意味です。というのも、古くから屋根に生えている多肉植物で、イギリス人は、屋根に生えたハウスリークを抜いてしまうと縁起が悪いと考えていたからだそうです。また、ハウスリークを屋根に植えておくと、家が雷から守られると信じられており、中世のフランク王国のカール大帝(742-814年)は、家を雷から守るため、自分の領土内の家の屋根にハウスリークを植えることを命じたほどでした。

ヨーロッパでは古くから薬草として用いられてきました。薬理学・薬草学の父と呼ばれる古代ギリシャのディオスコリデス(40年頃 – 90年)も、ハウスリークの薬効について言及しています。ハウスリークの葉の汁液には、アルカノイド、フラボノイド、有機酸といった成分が含まれており5 、火傷や虫刺されといった皮膚のトラブルに効果があるとされ、また、風邪のときには、葉の汁液をはちみつと一緒に水に溶かして、ハーブティにしたり、うがいに使用することで、喉の腫れを鎮めるなどの効果があるとされています6

また、若い葉っぱは、サラダなどにも使えるそうです7

アイスプラント

Yaiza Las Casitas - LZ-702 - Mesembryanthemum crystallinum 02 ies

一見、あまり多肉っぽくない見た目のアイスプラントは、ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物です。学名は、Mesembryanthemum crystallinum。アフリカ、西アジア、ヨーロッパ原産です。乾燥に耐え、耐塩性の強い植物なんだとか。海水と同程度の濃度の塩水で水耕栽培が可能です。

日本でも、塩味のする新野菜として、近年、全国で栽培が始まっています。ソルトリーフ、バラフ、クリスタルリーフ、プッチーナ、ツブリナ、ソルティーナ、シオーナなど様々な商標が付いています8

アイスプラントは、生でも茹でても食用でき、ほうれん草のように使用できるそうです。あるいはキュウリのようにピクルスにしたりおつまみにすることもできるよう9

また、スペインでは、アイスプラントはバリージャ(Barrilla)と呼ばれており、18世紀からレバントの海岸沿いやラ・マンチャ地方のような乾燥した痩せた土地を中心に栽培されるようになりました。主に、石鹸や、ガラス製品の顔料の原料となる苛性ソーダを製造するために栽培されました10

スペインのカナリア諸島では、かつてアイスプラントの種ゴフィオというシリアルを製造する際に使用していました。ゴフィオは、通常は小麦や大麦で作られていましたが、戦時中や飢饉の際などにはアイスプラントの種を代用していました。

まとめ

以上、食べられる多肉植物についてざっと見てきました。ヨーロッパでは、食材というよりは、薬草として取り扱われることが多かったんですね。

私が言いたいのは、別に自宅で育ててる多肉植物を皆さんが積極的に食べてみる必要はないと思うのです。でも、食べられる多肉があるということは、飼っているワンちゃんやネコちゃん、あるいはその辺に飛んでくる鳥さんにとっては美味しい食材に映る可能性があるわけで。だから、うっかり食べられないよう気をつけてくださいね、でも、万一食べてしまっても、毒ではないですよ、ということでした。こうなってくると、逆に、有毒な多肉植物があるのかが気になってきますね。それはまた別の機会に!

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