今月、動物病院へ2度目にお世話になったのは、2月21日のことでした。
この日は土曜日で、ランチを食べようってことになって、ネモをお家に置いて、ちょっと出かけたわけです。
で、お気に入りのレストランでランチセット食べて、その後、グランデ・グラシア道をだらだら歩いて、パセッジ・デ・グラシア通りもだらだら歩いて、気がついたらカタルーニャ広場まで来ちゃって、途中、ショッピングもしちゃったりして、と、中心街を堪能した後、家に戻ったわけです。ネモがお留守番していたのはだいたい5時間くらいです。まさに普通。ワタシも平日、お仕事で家をお留守にする場合も、だいたい5・6時間、ネモにはお留守番してもらうことがありすが、けっこう平気でお留守番しています。
動かない?いや歩けない…
で、その日も、ちょうど近くの公園でフィエスタやっているみたいだから、ネモ連れて遊びに行こうね、などと話しながら、帰宅したのですが、ネモはダイニングテーブルの下でじっとして私らを待っていました。あら、おとなしく良い子にしてたのね、といいながら、コート脱いだり靴脱いだりバサバサしていたのですが、一向に動く気配なし。どうしたの?ずいぶんおとなしいネモ。
っつーか、動かん。
え?足しびれちゃったのかなぁ。
確かに、伏せの状態で鎮座しているので、そのまま寝てしまったなら、短足犬としては足がしびれてしまってもおかしくはない。
歩けないネモを横に寝かして、足の血液の循環が良くなるのを待とうと思いました。
そして、1時間、2時間。
変わらず、動かん。
いくら足がしびれたからって、2時間も経てば普通直るよね。ネモ、どうしたの?足痛いの?
あれこれ足を調べてみると、動かないのはどうやら後ろ足だけのよう。触ってみても、痛がることはないのですが、とにかく動かさない。
何コレ????
深夜の動物病院へ向かう
気がつけば夜の22時。本日は土曜日。近所の例の動物病院に電話したら、休日深夜料金でお値段アップだけれど、受付はしているというので、即行。今回は、Rが気合でネモを抱えて、病院まで5分の道のりを行きました。空手家Rにとっちゃ、このくらいの距離はなんともなかったようです。
病院に到着して、さっそく足を調べてみると、股関節形成不全か椎間板ヘルニアの疑いもあるので、まずはレントゲンを取ってみましょう、ということになり、レントゲンを取りました。
しかし、骨に異常はなし。これで、骨折や股関節形成不全の可能性は消えました。残るは椎間板ヘルニアの疑い。しかし、1歳にも満たない犬がねー、と獣医さんも不思議顔。
後ろ足の反応をチェックする限り、特に左後ろ足の反応が悪い。「感じからして、神経系から来ている可能性大です」と獣医さん。
ヘルニアが原因なら、骨髄からの異常で足の動きを悪くしている可能性があって、今はまだ足の感覚はあるけれども、今後、感覚さえ消えてしまった場合、最悪のケースでは、一生歩けなくなることもある、と言われました。
もう、ショック!!!!ですよ。病院で号泣。だって、ネモが歩けなくなるなんて嫌すぎる!
急にヘルニア?
しかし、なぜ急にヘルニア?
ネモが言うこときかない時、よく柔道の技みたいにネモを床にべトンってしてたから、その時に痛くしたのかしら、とか、ソファでネモをだっこする時に痛くしたかしら、とか、散歩中歩かない時、強引に引っ張っていたのが悪かったのかしら、とか、ぐるぐる反省と悔しさが頭をめぐります。強靭な身体だからって、確かに、ちょっと手荒く扱ってはいましたけれど。
しかし、なぜ急にヘルニア?
「遺伝じゃない?」 とR.
確かに遺伝という言葉で片付けるのは楽ですけれど。
しかし、なぜ急にヘルニア?
でも、本日の午後2時半。出かける前までは至って普通だったわけです。ヘルニアだったら、もう少し前もってそれらしい症状が出てもいいんじゃないのかなぁ。それが5時間の間に急変。帰ってきた時には、ダイニング・テーブルと椅子の下にいました。
他の思い当たる原因
そういう状況証拠を考えた時に、もう一つ思い当たることがあったのです。
それは、ビターアップル(もどきのスペイン製品)
これはスプレー状の製品で、犬が家具などを噛むのを防ぐために、ペットショップで購入したものです。家具にフッと吹き付けると、苦いリンゴみたいな嫌な味のする物質が付いて、犬が噛まなくなるのです。一度吹きかけると、2,3日はもつらしい。
この種の製品は、これまで利用したことはありませんでした。なんか化学的だし、その辺のペットショップに行くと、普通は売っていなくて、お酢を塗ればOKですよ、とか、コショウを塗ればOKですよ、といった店員さんの答えが返ってくることが多かったから。
だから、噛み噛み防止は、これまでお酢を利用していました。もちろん、効果はあるのですが、持続時間が短い。なので、大手のペットショップへ行った際に、ビターアップルもどきのスペイン製品を見かけたので、購入したのでした。それを試したのが先日の金曜日のこと。ネモが留守中に椅子を噛んだ際に、ビターアップルもどきの製品に含まれる物質に何らかの化学物質が含まれていたという可能性はないのかしら。
というか、それが状況証拠からすると一番有りうると思うんですけれど。
担当してくれた若い男性の獣医さんは、「ペットショップで買った動物用の製品でしょ?だったら絶対それはない」と。さらに、「そういうものを口にしたなら、意識朦朧としているとか、もっと全身に症状出ますし。今回は、後ろ足だけの局所的なものなので、それは違うでしょう」とのこと。
じゃあ、やっぱヘルニアかいな。
へこみます。
一晩、ICUで入院
ヘルニアかどうかを確かめるには、脊髄に特別な液体を注入してレントゲンを取らないといけなくて、結構、リスクのある検査なので、とにかく本日はICUで入院させて様子を見ましょう、ということになりました。24時間体制で、看ていますし、変化があったらすぐにお電話します、と。そして、翌日の朝8時と夕方4時に、容態を定期報告するお電話もしてくれるとのことでした。
もし明日になって、後ろ足の感覚が失われてしまった場合は、明日中に脊髄の検査を進めますが、そうでない場合は、月曜日以降に検討しますとのこと。
もう、ボロボロ状態で帰宅しました。あぁ、ネモ。ついさっき、お昼には近所の山をみんなで楽しくお散歩していたのに。お花畑で微笑む姿がとっても似合っていたネモを思い出して、あんな日が絶対もう一回来るよね!って言い聞かせていました。
一方、Rは結構冷静で、なんだかんだと話していたら、ヘルニアという可能性ももちろんだけど、単なる捻挫とか打撲とか足を捻っただけとか、そういう可能性はどうなんだ、という話になりました。動物病院だって商売なんだから、色々怖いこと言って、たくさん検査して、ってことだってあるだろうと。良心的に考えるなら、獣医さんも最悪の事態を考慮して、きめ細かに検査をしたいということでしょうけれど。
確かに、一理あると思いました。それまでヘルニアしか選択肢が無いと絶望的な気分になっていた私でしたが、もっと軽い可能性、たとえば足を捻っただけ、があるかも、と思ったら少し気が楽になったのでした。
そして、就寝。特に電話なし。便りが無いのは良い便り。
動物病院からの電話
朝9時。容態の定期報告の電話が。
すると、「かなり良くなりました」の報告。病院では、点滴をしてくれたのが良かったのか、歩けるようになっていて、朝はご飯も普通に食べて、少しだけ散歩もできたとのこと。やったぁ。血液検査でも異常はなかったと。このままの調子で行けば、本日中に退院できるので、また午後に連絡します、とのことでした。
すごいすごい、ネモの回復力。足が動けるって!昨日、寝る前に私の気を送っておいたのが良かったかしら(関係ないって)。
午後になって電話がかかってきました、今度は女医さんでした。「かなり回復しました。もう退院できるので、午後4時~8時の間に迎えにきてください」 ヤバイ、スゴイ、嬉しい!!!
ネモを迎えに行きました。ゆったりゆったり、千鳥足のごとく登場するネモを予想していたのですが、お医者さんと共に登場したネモは、まさに弾丸。いつもの弾丸息子でした。こんなに歩けちゃってる。
リードを引っ張る力も強い強い。
女医さんも、「あー、もう全然普通です。散歩も普通にできましたしね。様子見て、痛み止めのお薬を出しておきますが、ヘルニアという可能性はないでしょう。ヘルニアだったら、こんなに早い回復は絶対ありませんから」 ヤバイ、スゴイ、嬉しい!!!
ネモは私たちを見て、嬉しかったのか、安心したのか、診療室で大量のウンコを。その後、あんまり騒がしいので、いったん外に連れ出したのですが、そこでも、大量のオシッコと再びウンコを。ずっと我慢してたのかもね。良い子だったね、ネモ。
結局何が原因だったの?
さて、結局、足が動かなくなった原因ですが、その女医さんいわく、「有毒物質か何かを食べた可能性が高い」と、じゃあ、やはりあのビターアップルもどきの製品???「持ってきていただければ、成分をお調べすることもできます」とのこと。もし、本当にその製品が原因なら、犬の足の麻痺を起こすなんて訴訟モノですよね。しかし、その場では分からず、結局、本当に何が原因だったのか、皆目見当もつかず、我々病院を後にすることとなりました。
それから、3日経ちますが、ネモは至って元気です。この1週間は、散歩はあまりしないでくださいといわれたので、公園で遊ぶくらいに留めていますが、仲良しの犬とは本日は遊んじゃいました。普通に公園を駆け回っていました。つい最近まで歩けなかったなんて嘘みたい。
というわけで、この事件も原因追及は十分になされぬまま、お蔵入りとなる可能性大なのでした。
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