スペインの学校制度 受験はあるの?

幼児の教育
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うちの子は3歳ですが、2歳9ヶ月のころから幼稚園の年少に通っています。ちょうど4月4日までがこちらの学校の申し込みの期限なんですね。去年の今頃は、私も学校選びで大変でした。本日は、スペインの学校制度についてのお話です(下に続く…)。

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学校の種類

スペインの学校の種類は、大きく分けて、公立コンセルタード(政府の補助を受けている私立。半私立と呼ぶ人も)私立に分かれます。私立やコンセルタードはエスカレーター式に、幼稚園から中学校、もしくは高等学校まで付属しているタイプが多いです。公立は、幼稚園、小学校、中学校、高校と学校がバラバラなのが基本ですが、この中学校ではこの小学校の生徒を受け入れる、この高校ではこの中学校の生徒を受け入れる、とだいたい決まっていることが多いです。なので、幼稚園を選ぶと、転校をしない限り自動的に高校までどういう所に行くか決まってしまうことが多いので、幼稚園選びがかなり重要になってくるのです。

公立校とコンセルタード校

受験はあるの?

受験のようなものは、大学入試まで一切ありません。公立とコンセルタードの場合は、全て各自治体で定められているポイント制で決まります。

カタルーニャ地方のポイント制

ポイントというのは、たとえば、2017年度のカタルーニャ地方の公立・コンセルタードの学校の選考基準は、3歳からの幼稚園、小学校、中学校、高等学校ともに、以下のようにポイントが加算されていきます

  • 兄弟が同じ学校に通っていたり、保護者がその学校に勤務しているか(40p)
  • 学区に自宅(30p)や勤務先(20p)があるか、学校と同じ行政区に自宅があるか(10-15p)
  • 保護者が生活保護を受けているか(10p)
  • 本人や家族に障がい者がいるか(10p)

高校入学の場合は、これに中学時代の成績の平均点が加味されます。

これらの基準を加算していき、複数の人が同点ポイントだった場合は、下記のような点があるとその人が優先されます。

  • 一人親家庭か、大家族(父母と子ども3人以上)か(15p)
  • 本人に分泌系・消化系・メタボリックの慢性の持病があるか(10p)
  • 両親か兄弟が同じ学校に通っていたことがあるか(5p)

ポイントが加算される基準は毎年少し変わるので、その都度チェックが必要です。

これらのポイントの基準を見ると分かるように、ある一定のプロフィールの方々に有利になっているために、普通の家庭だと結構大変な条件なので、公立でもコンセルタードでも人気校に入るのはかなり難しくなってくるのです。

希望校の順番が実は重要

また、学校の選考時には、希望の学校を順番に10校くらい記入するのですが、人気のある学校ばかり書くと、1番目に書いた人たちの段階で埋まってしまい、記入した学校はほとんど全滅だった、なんてケースもあります。なので、2番めにあえて人気の高くない学校を記入して、そこで確実に決めに行くという戦略が良かったりします。

もっとも、最近は少子化で昔よりは楽になったという話も聞きます。バルセロナのケースになりますが、住む地域の学区外でも、コンセルタードの学校が集中しているサリア地区は、生徒数が少ない割に学校の数が多いので、簡単に入れるところが多いという話も聞きます。

しかも、人気があるから良い学校だとは限らないのがまた厄介です。実際、入学の段階で、すごく人気校と聞いていたのに、実際に通っている人に話を聞くと、あまり良くないとか、転校を考えているとか、そういう話を聞くこともしばしば。学校選びって難しいです。

そして、コンセルタードの学校の場合は、幼稚園で一度入学すると多くの子がエスカレーター式に上に上がっていきます。なので、途中入学の定員はとても少ないことが多いです。なので、幼稚園選びの段階で一気に決めてしまいたいという親が多くなるんですね。

もちろん、一度通って気に入らなかったら、転校するのは全然ありです。希望の学校に入れなかったからと、キャンセル待ちリストに名を連ねて、他の誰かが転校したタイミングで、希望の学校に移るのを待つケースもあります。あるいは、入った学校が気に入らなくて別の学校へ転校させるということもあります。

私立校

一方で、政府の援助を受けていない私立校は、完全独立タイプでカリキュラムも独自のものを採用しています。そのほとんどは、各国のインターナショナルスクールです。イギリス系、アメリカ系のインターなら英語で、フランス系ならフランス語、ドイツ系ならドイツ語、日本人学校なら日本語で基本的に授業がなされます。カリキュラムもスペインではなく、本国のものに従っています。

通う生徒は、本国の駐在員の人が本来多いはずなのですが、スペイン人家庭でも、わざわざインターに通わせているという家庭もかなりいます。とくにフランスと英語のインターは人気が高いです。この辺は日本とも似ていますね。

しかも、私立の場合、ポイント制もないし、決められた申し込み期間などもないので、子どもが生まれたと同時に予約を入れるなんてケースもあるらしいです。なので、いざ幼稚園に行かせる年齢になってインターに問い合わせてみたら既に定員でいっぱいだったということもあるとか。

各国のインターナショナルスクール以外の私立校でも、自由教育など独自のカリキュラムを掲げており、政府の方針に介入されなくないため、コンセルタードではなく敢えて私立校として経営しているところもあります。

まとめ

以上、スペインの学校制度についてざっくり説明してみました。スペインの学校には大きく分けて、公立・コンセルタード・私立の三種類があり、入学の基準は公立・コンセルタードの場合、受験ではなくポイント制で決まる、ただし高校入学の場合は内申点も加味される、というお話でした。

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