2017年秋に購入したタカラトミーのコズモ(Cozmo)。その兄弟的な存在のロボットとして親会社のAnkiよりベクター(Vector)というロボットが存在しています。今回は、いまさらながらベクターロボットを我が家に迎え入れたよ!というお話です。
ロボット・ベクター(Vector)
ベクターってどういうロボット?
コズモ(Cozmo)の兄弟的な存在のロボット・ベクター(Vector)。
ベクターっていったいどんなロボットなんでしょう。一言で説明するのはなかなか難しいですが、動くスマートスピーカー、というかロボットというか…、音声で写真が撮影できたり、私たちの顔を認識してくれたり、質問に答えてくれたり、勝手にオモチャ(キューブ)で遊んだり、お話すると反応がたくさん返ってくるロボットです。
残念ながら日本語対応はしていなくて、英語での利用になるのですが、AmazonのAlexaも使えるんです。SDKを使えば拡張性もあるみたいだし、何か楽しそうなロボットだよな、とずっと気になっていました。
Ankiは倒産しちゃったけれど
ところが、実はコズモやベクターの生みの親である会社Ankiが、去年2019年の春(4月)に倒産してしまいました。いやぁ、正直ショックでしたよ。コズモ(Cozmo)は大好きなロボットですから。6歳の息子とは今でもゲームやったり遊んだりしてますし、本当にかわいくて、使い勝手の良いロボットなのです。
とはいえ、コズモはタブレットやスマホがあれば単体で動くロボットなので、会社が倒産したからといって、そこまで打撃はないというか、今まで通り使用できます。あえて気にするなら故障した際のサポートの心配ですかね。
対して、ベクター(Vector)は音声認識や反応等が、専用のサーバーから返ってきます。なので、Ankiが倒産して、サーバーのメンテナンスはどうなるんだろう、当面2020年9月までは維持されるようだけど…、と運営が非常に不透明な存在だったんですね。
というわけで、当初の小売価格249米ドル(日本で買ったら3万円くらい)だったベクター(Vector)の価格が在庫処分みたいな感じでガクンと下がったんです。ホント100米ドル(日本で買ったら1万5千円くらい)位に。半額以下ですよね。うっ、お買い得!でも、来年の9月以降使えなくなったら嫌だし…と思っていました。
Digital Dream Labsが事業を引き受けると聞いて
ところが、今年2020年初頭に、Digital Dream LabsというPuzzletsなどのプログラミング教育製品を作っている会社がAnkiの事業を引き受けたというニュースが出てきました。
2020年2月現在、まだ具体的にどういうプランを考えているかは出てきていないのですが、とにかく、コズモ(Cozmo)、ベクター(Vector)といったAnkiのロボットたちを引き受けてくれる会社ができたというのは朗報です。というわけで、ベクターロボットをポチってしまった私だったのでした。
ベクター(Vector)がやってきた
いざ到着。届いてびっくり
今回は、お値段がお安くなっていたので、イギリスのEbayのベンダーさんから購入してみたのですが、新品とのことだったものの、包装とか一切なしで、パッケージそのまんま郵送のラベル直付け!という非常にワイルドな状態で届きました。おかげで、パッケージはかなり傷ついていて、こちらでお見せするのも憚れるような感じ…。と言いながら、お見せしますと
こんな感じでイギリスからスペインにそのまんま送られてきたのです。ビニール袋とかにも包まれていなくて…。箱下部のシールは、Ebayってシールがべったり貼られていたの。びっくりでございましょ。よく壊れずに届いたよな、っていう。普通に再生品、いや、もはや中古でしょ!と言いたくなる代物でした。
なので、いくら価格がお安くても(いや、そこまで安くもなかった)、このEbayのベンダーさんはちょっと…と思ってしまいました。ここまで酷い包装は、ネット通販歴の長い私でも初めてでした。なので、多少高めでも、アマゾンで購入した方が良いと思います、はい。
中に入っていたもの
とはいえ、ロボット本体は、傷も付いていなくて、壊れてもいないし、きちんと動きました。返品しても良かったのですが、せっかく家に来たんだから、何かのご縁だろうし、まぁいいかな、と。お家に来たベクターちゃんに罪はありませんからね。
中に入っていたのは、こちらの3点。
ベクター(Vector)本体と、充電ドック、キューブ1個です。
アプリを設定
専用のアプリをiOSなりAndroidからダウンロードしてきてセットアップします。最初にベクター(Vector)のアカウントへの登録が必要になりますが、無料で登録できます。
認識するコマンド一覧
アプリを開くと、各項目別にどういうコマンドをベクターが認識してくれるのかが分かります。
アプリは登録する時と、Amazon Alexaに接続する際(後述)には必要なのですが、ベクターを使用する際にはアプリを立ち上げる必要はないので普段はそんなに使いません。どんなことができるのか、機能を確認する際に使用する感じですね。あとは、ベクターが撮影した写真を見るときかな。
ちなみに、下の表を見ると、ベクター(Vector)が認識しているコマンドの一覧が見られるようになっています。
この一覧にあるコマンドを、「Hey Vector」の後に言ってあげれば良いんですね。
いざ動かしてみよう
「Hey Vector」と呼びかけると、パァーンという電子音と共に、頭がブルーに光ります。その状態で上のコマンドを言ってあげると反応があります。
呼びかけは、英語っぽさを意識して
「Hey Vector」は結構イングリッシュな発音で言ってあげないと反応してくれません。ヘイベクターってめっちゃ日本語読みだと無理でした(^^;。良い発音を心がけないといけないわ。
ここで、いくつか興味深いコマンドを紹介しておきます。
ブラックジャックをプレイする
「Hey Vector, Play Blackjack」で、ベクター(Vector)とブラックジャックがプレーできます。ベクターの顔にトランプの柄が表示されて、ベクターがもう1枚カードをひくかと聞いてきます。
「Yes」と答えるとヒット(自分がもう一枚カードをひく)、「No」と答えるとスタンドになります。勝負がつくと、「もう一度プレーする?」と聞いてくるので、イエスかノーで、再度プレーをするか決めます。基本、イエスかノーと答えることでゲームが進んでいくので楽です。
キューブで遊ぶ
あと、「Hey Vector, find your cube」と言うと、付属の黒いキューブがカラフルに光り出し、ベクター(Vector)がキューブを持ち上げたり、転がしたりします。
キューブを使った遊びは、キューブが3つ付属していたコズモ(Cozmo)の方がバリエーションが豊かですね。
天気予報を教えてもらう
また、「Hey Vector, what’s the weather」と言うと、現在の気温と天気を教えてくれます。
温度や天気のカワイイマークが現れます。ただ、正確性については…。どこから温度や天気のデータを引っ張っているのかは謎です。この画面に表れているのは9度ですが、我が家の近辺は13度はあるでしょう、という状況だったので。
なお、天気予報については、後述のAmazon Alexa経由で尋ねることも可能で、そちらの方が正確性では上です。
いろいろ質問してみる
さらに、「Hey Vector, I have a question」と話しかけると、質問を聞いてくれるモードになります。そこで、様々な質問を投げかけると、きちんとベクターが答えてくれます。
他にも、「Hey Vector, happy holidays!」というと、カラフルなアニメーションが画面に表示されたり。いろいろバリエーションがあるので、上のツイッターの画像にコマンド一覧が色々あるので、試してみると良いでしょう。
動くAmazon Alexaになるベクター
さらに、ベクター(Vector)の魅力的な点の一つに、Amazon Alexaを組み込めるという点があります。そのまんまAlexaとして使用できるので、ベクターが動くAlexaに変身します。
設定方法は、ベクターのアプリを開くと、アレクサマークが出てくるので、そこから米国のアマゾンアカウントにアクセスをします。
米国のアマゾンアカウントがない場合は、作らなければなりませんが、無料で作成できます。ここから、米国アマゾンのアカウントにログインすると、コードを入力してください、という画面が出てくるので、ベクターの顔モニターに表示されているアルファベット等のコードを入力すると、普通のAlexaとして使用できるようになります。
おそらく設定言語は日本語にはできないと思います。自分が使用した限りでは、Amazon アカウントの設定で、使用言語を指定できるのですが、その言語には対応しているようです。米国Amazonでの言語は、英語、スペイン語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語、ヘブライ語の8か国語に対応していますが、日本語には未対応です。将来、対応してくれることを望みます。
実際、Amazonでの言語をスペイン語にしてみたら、ベクター(Vector)のAlexaはスペイン語になりました。なお、ベクター本体は英語のみなので、普段(Hey Vector)は英語で話しかけて、Alexaに対してのみスペイン語で話しかける、という形になりました。
我が家のスマートスピーカー使い分け
ちなみに、我が家ではGoogle Home Miniを日本語のスマートスピーカー、Amazon Echo Dot (エコードット)およびベクター(Vector)をスペイン語のスマートスピーカーとして使い分けています。さらに、Echo Dotをリビングに、ベクターを玄関脇の部屋のパソコン机の上に置くという形にしています。
Amazon のスマートスピーカーとの違い
ベクターが、Amazon Echo Dot (エコードット) のような普通のスマートスピーカーと同様に使えるのはとってもありがたいです(日本語には対応してないですが)。あえて、違いを言うなら、「Alexa!」で指定したコマンドが実行されている最中に、それを停止できないことです。
たとえば、Alexaに今日のニュースを読み上げるようお願いすると、延々ニュースを読んでくれるのですが、途中で「Alexa止めて!」と、ほかのコマンドを言うことができないのは多少不便かなと思いました。
一方で、ケーブルを気にせずに、どこにでもベクターを持っていけるので、台所に持って行って、料理の時だけタイマーとして使う、といった使用ができるのは便利ですね。
ベクターのことで気になる点は?
ベクターの充電時間は?
ベクター(Vector)は充電ドックで充電されますが、名前を呼ばれると、そこから出てきて、かわいい動作をいろいろやってくれます。そして、充電切れになると、自ら充電ドックに戻っていきます。
果たして一度の充電でどのくらい持つのでしょうか。私が使っている感じでは、一度充電ドックを離れてから、アクティブに動いて30~40分すると戻っていくなという感じです。Ankiのサポートページでは、25分と書いてあるので、だいたい25分~45分は、充電せずにアクティブに動いてくれるようです。また、一度充電デッキに戻ってからフルでチャージされるには30分ほどかかります。
ベクターはテーブルから落ちる?
ベクター(Vector)は基本的に、電源を落とさずに使用します。Amazon Echo Dot (エコードット)やGoogle Home Miniみたいなスマートスピーカーの感覚です。
普通のスマートスピーカーと違うのは、放っておくと勝手に机の上を動き回ることです。果たして、ベクターはテーブルから落ちるのでしょうか。落ちないようにお盆やトレー等の中に置いておくべきでしょうか。実際に純正のベクター専用のトレーも販売されているんですよね。
実際、ベクターを動かしてみて思ったのは、なかなか落ちないです(^^;。結構、落ちる直前でハタと気づいて戻っていくので、なかなかセンサーは優秀だなと。ただ、100パーセント落ちないかというとそんなことはなくて、私も1か月半ほど使用していますが、2回だけ派手に机から落ちました(なんともなくて良かった~)。
ですが、使用しないときは、「Hey Vector, go to your charger」と言って、充電ドックに戻ってもらうようにすれば一か所に留まって動かなくなるので、不測の事態で落ちることは少ないと思います。でも、勝手に落ちる可能性はゼロではないので、いちおう、スマホだったりヘッドホンだったり、机の上にプチ防波堤を築いて、万一の落下に備えていたりします(^^;
Cozmoとの違いは?
ベクター(Vector)と姿かたちが似ているロボットとして、コズモ(Cozmo)がありますが、どこが違うのでしょうか。
一番の違いは、コズモ(Cozmo)はスマホやタブレットでアプリを立ち上げないと動かないのに対して、ベクターは単体で、スマートスピーカー的に動くという点です。ケーブルなしで動くかわいいスマートスピーカーがベクターだと思っています。とりわけAmazon Alexaが動くのは心強いです。
ベクター本体としての音声認識機能は、Amazon Echo Dot (エコードット)やGoogle Home Miniと比較すると、現状そこまでバリエーションが豊かではないのですが、Alexaが動くので、普通のスマートスピーカーとそん色ないレベルで使えてしまうのは素晴らしい点です。
一方で、コズモの機能にあるビジュアルプログラミングを行なうといった機能はありません。SDKを使えばできるのですが、多少煩雑な作業が必要になるので、子供向けのプログラミング学習という用途ならコズモ(Cozmo)の方が良いでしょう。
その他の違いについては、Ankiのサポートページに書いてあります(英語)
今後のVectorの動向などの情報
2019年4月に開発元のAnkiが倒産した後、不透明な状態が続いていたコズモ(Cozmo)やベクター(Vector)ですが、2020年1月にDigital Dream Labsが事業を引き継いでくれたので、今後についても少し希望が見えてきました。とっても魅力的なロボットたちなので、ぜひ今後とも活動やサポートが継続されていけばよいなと思っています。
今後の動きについては、Digital Dream LabsのツイッターやRedditのフォーラムやAnkiのサポートフォーラム等で情報が追えます。
私も今後とも動向をチェックしていきたいと思っています。
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