【2020年3月12日更新】
このページでは、スペインの新聞を読んで気になったニュースを取り上げていきます。
世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス(新型肺炎)。日を追うごとに陽性の患者さんの数は増え、感染者のいる国の数も広がっています。
先日より不定期でスペインにおける新型コロナウイルスの状況を、現地の新聞をななめ読みしながら、簡単に現状を紹介してきました(当ブログの新型コロナ関連の記事一覧はこちら)。
スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数など最新のデータはこちらから確認できます
ここ数日、このブログは、スペインの新型肺炎のニュースサイトみたいになっていますが、事態を鑑みて暫定的に行っています。普段は普通のブログです。
- スペインの新型コロナウイルス感染者数は2968人(死者84人)
- カタルーニャ州・バスク州の全ての教育機関の休校を決定
- スペインの議会、王室、活動を休止
- レアル・マドリードの選手たちも自宅待機に
- サッカーのスペインリーグは中止に
- カタルーニャ州の取る新型コロナウイルス予防策
- サグラダファミリアも入場者を制限
- イタリアとスペインのチームのサッカーの試合も延期
- スペインの政治家も次々感染
- バレンシアの火祭りは無期限延期に
- マドリッド州全域が「ハイレベル感染地域」に指定される
- イタリアからスペインへの直行便運行が禁止となる
- 「ハイレベル感染地域」での1000人以上の集まるイベントを禁止
- スペイン国内の「老人会の旅行」も禁止
- スペインのすべてのスポーツの試合が無観客試合に
- ~関連リンク~
スペインの新型コロナウイルス感染者数は2968人(死者84人)
3月12日16時00分現在(現地時間。日本は+8時間)、スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数は2968人(死者84人)となりました。すでに回復した人は189人です。
自治州別では、マドリッドが1388人(38人死亡)と圧倒的に多く、その後をバスク州(346、9人死亡)、カタルーニャ州(260、4人死亡)、ラ・リオハ州(205人、2人死亡)、カスティーラ・ラ・マンチャ州(115、1人死亡)、アンダルシア州(115)、バレンシア州(94、1人死亡)、カスティーリャ・レオン州(92)、ナバラ州(73)、アラゴン州(64、6人死亡)、カナリア諸島(51)、アストゥリアス州(47、1人死亡)、ガリシア州(35)、ムルシア州(26)、バレアレス諸島(22、1人死亡)、エストレマドゥーラ州(19人、1人死亡)、カンタブリア州(16)、と続いています。(情報元)
カタルーニャ州・バスク州の全ての教育機関の休校を決定
【3月12日】
カタルーニャ州の全ての教育機関の休校
カタルーニャ自治州の教育長ジュセップ・バルガリョ氏は、3月12日午前に、カタルーニャ州の全ての学校の閉鎖を決定しました。
明日3月13日より14日間、カタルーニャ州内のすべての教育機関が閉鎖されます。当初は来週の月曜日からを予定していましたが、金曜日に繰り上げられました。
具体的には保育施設、小・中・高等学校、音楽専門学校、語学学校、生涯学習の学校、大学、とにかく全て。公立もコンセルタードの学校もです。この決定により、180万人の生徒・学生と10万人の教員が影響を受けます。
なお、休校中に学校が閉鎖されるか、教職員が業務を行なうかについては調整中です。
カタルーニャ州各地では、新型コロナウイルスの影響を受け、既にいくつかの学校では閉鎖がなされていました。本日の時点で、カタルーニャ州内の17,385人の生徒が休校していました。
とりわけ、バルセロナ県のイグアラダ市とその周辺地域が、病院内での感染を機にクラスター化しており、39の教育施設(15412人の生徒と1401人の教職員)が本日の木曜日より休校となっていました。
さらに、バルセロナ県のサバデル市のマス・ボアデリャ学校(生徒数480人)も木曜日より休校となりました。同校の35人の教員の感染が確認されたからです。
また、バルセロナ市グラシア地区の保育施設も保育士1名の感染が発覚したため、月曜日(3月9日)より閉鎖されていました。
エル・プラットの公立語学学校(生徒数783人)も同様に9日より休校でした。
バルセロナ県バダロナ市のフェリウ・イ・ベゲス学校(生徒数388人)も月曜より休校。
また、バルセロナ県エル・プラット・デ・リョブレガット市のベルナット・メッジャ学校も教員17人中13人の感染が発覚したため、本日木曜日より休校となっていました(情報元)。
さらに、カタルーニャ州議員のアンジェルス・チャコン氏によると、5つの州内の大学(ジローナ大学、バルセロナ自治大学、カタルーニャ工科大学)でも新型コロナウイルス陽性患者が出ていました。ですが10日前のことで、それ以降は件数は増えていないとのことです(情報元)。
また、バルセロナのアダ・コラウ市長は、バルセロナ市内の市民センター(Centros Cívicos)、各地区のグループイベント(Casals)、図書館、音楽専門学校、母子学級、児童館、市立のスポーツ施設なども15日間の閉鎖を決めました。
なお、現在、バルセロナ市役所の公務員として5人の感染が確認されています。グラシア地区の保育士、経済部門の公務員、エコロジー都市部門長および同部門の公務員、法務分野の公務員の5人です。
コラウ市長自身も、週末に上記5人の1人と接触があったため、自宅待機となっています。バルセロナ市では他にも5人の市議会議員が自宅待機になっています(情報元)。
バスク州の全ての教育機関の休校
当初、バスク州はアラバ県ビトリア市とラバスティダ市内の教育機関の休校を決定しました。昨日11日より休校の対象をアラバ県全体とビスカヤ県バルマセダ市へ拡大しました。そして、本日12日、ビスカヤ県とギプスコア県全体へ拡大、すなわちバスク州全体の教育機関の休校が決定しました。バスク州の場合は、本日木曜日より14日間の休校となりますが、延長の可能性もあります(情報元)。
バスク州では、学校が休校中も生徒が普段と同じように勉強する環境を整えるため、生徒が学校に来なくても、小中学校の教職員は通常どおり勤務します。担当の教員は、Eメールやデジタル教材等で常に生徒や保護者と連絡を取れる体制にします。
高等学校の場合は、特に高校2年(日本の高校3年)の場合は、大学入学の統一試験に向けた内容の教材を用意します。
デジタル教材を用意できない場合は、紙の教材を用意し、保護者や生徒が学校に取りに来れるようにします。
とはいえ、ギプスコア県では、Moodelという県独自のオンライン教材のプラットフォームが既にあるので、それを利用すると見られます。また、グーグルのG Suite for Educationというのもあるので、それも利用できるようです(情報元)。
さらに、他の自治州も休校を続々決定する
さらに同日、ムルシア州とガリシア州がこれに続きました。さらに、ナバラ州、カナリア諸島、アストゥリアス州…と続き、あれよという間に、セウタ、メリリャを含むすべての自治州にて教育機関の休校、閉鎖が決定されました(情報元1)。
- 11日(水)より既に休校中の州
- マドリッド州、ラ・リオハ州
- 12日(木)より既に休校中の州
- 13日(金)から休校の州
- カタルーニャ州、ムルシア州、ナバラ州、カナリア諸島、アストゥリアス州、カスティーラ・ラ・マンチャ州
- 16日(月)から休校の州
いずれも、当面2週間の休校を予定していますが、状況によっては期間の延長の可能性もあります。
ほんの数日前まで、国も自治州も学校の休校には消極的なところが多かったのに、ずいぶんと様相が変わってしまいました。我が子の学校も明日より休校です。
スペインの議会、王室、活動を休止
【3月12日】
スペインの下院議会は今後2週間、多くの下院議員に新型コロナウイルス陽性が判明したことを受けて、活動を停止することになりました。とはいえ、各種決定や会議等に関しては、ビデオ会議や遠隔システムを用いてもおこなっていきます(情報元)。
先日より、国民党やVOXの下院議員の感染が判明する中、本日12日、男女共生省大臣(Ministrad de Igualdad)のイレーネ・モンテーロ氏の陽性が確認されました。モンテーロ氏は現在、自宅隔離となり、彼女の夫でスペイン第二副大統領であるパブロ・イグレシア氏も自宅待機となっています(情報元)。
スペイン国の一大臣の感染が発覚したのを受けて、スペインの全ての閣僚が新型コロナウイルスの検査を受けることになりました。
なお、イレーネ・モンテーロ氏は3月6日(金)に、スペイン王室のレティシア王妃と同じ儀礼に参加していました。このため、フェリペ国王とレティシア王妃も、念のため検査を受けます。
ちなみに、国王の娘であるレオノール王女とソフィア王女が通う学校でも、数日前に1人の生徒の新型コロナ感染が確認されていました。学校の方針に従い、11日にマドリッドの全ての学校が閉鎖になるまで、王女2人は通常どおり学校に通学していたとのことです(情報元)。
レアル・マドリードの選手たちも自宅待機に
【3月12日】
スペインはマドリードのプロスポーツチームのレアル・マドリード。フットボールとバスケの選手たちが本日12日午前より自宅待機となりました。バスケットボールのチームの選手1名の陽性が判明したからです。アメリカ人のトレイ・トンプキンス選手のようですが、彼は先日行われたユーロリーガのオリンピア・ミランとの試合でイタリアに行き、良い活躍を見せた選手の1人でした。
バスケットとサッカーの両チームの選手は、食堂や水療法エリアなどクラブ内の同じ空間を共有しているために感染の可能性が高く、すぐに自宅に戻り、何らかの症状が出ればすぐに検査を受ける必要があります。この状況は15~20日間続く見込みです。レアル・マドリードのフットボール部門のジダン監督は、12日午前に選手たちの練習を中止させ、各自トレーニングは自宅で行なうよう指示しました(情報元)。
サッカーのスペインリーグは中止に
【3月12日】
当初スペインサッカーのプロリーグ(1部、2部)について無観客試合が想定されていました。
しかし、レアル・マドリードのバスケの選手が新型コロナに感染したことで、フットボールの選手たちも自宅待機になり、チームは、2週間は試合にも一切出場できなくなりました。
こうした背景も影響してか、スペインフットボール協会は12日、2週間以内に行なわれる予定だった試合を全て中止することに決定しました。具体的には、1部リーグの第28節(3月13-15日)と第29節(3月20-22日)の全ての試合、および2部リーグの第32節(3月13-15日)、第33節(3月20-22日)の全ての試合が中止となります(情報元)。
レアル・マドリードのチャンピオンズリーグの試合も延期
同じく、チャンピオンズリーグのベスト16戦第2レグのマンチェスター・シティ対レアル・マドリードの試合も延期となりました。新たな試合日程は未定です。
~関連リンク~
- 感染の疑いがあったら?各自治州別の連絡先
- グラフ・チャートで見る最新のスペインの新型コロナウイルスの拡大状況
- 最新のスペインの新型コロナウイルス、気になるニュース
- 3月4日~9日のスペインの新型コロナウイルスの気になるニュース
- 3月3日のスペインの新型コロナウイルスの気になるニュース
- 2月29日時点でのスペインにおけるコロナウイルスの感染者情報
- 2月28日時点でのスペインにおける新型コロナウイルスの感染者情報
- 2月25日~27日までのスペインにおける新型コロナウイルスの感染者情報
- 2月15日以前のスペインにおける新型コロナウイルスの感染者情報
- 新型コロナウイルス関連でスペイン語の有益な情報ソース
- スペインにおける新型コロナウイルス患者の主な受け入れ先病院
- 日本のニュースサイト、公的機関発行情報、世界の統計に関するリンク集
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