新型コロナウイルスのスペインでの状況~累計で58人感染確認(現地の新聞ななめ読み)

海外生活
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【2020年2月29日更新】

世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス(新型肺炎)。日を追うごとに陽性の患者さんの数は増え、感染者のいる国の数も広がっています。

先日より不定期でスペインにおける新型コロナウイルスの状況を、現地の新聞をななめ読みしながら、簡単に現状を紹介してきました(当ブログの新型コロナ関連の記事一覧はこちら)。

スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数など最新のデータはこちらから確認できます

グラフ・チャートで見るスペインの新型コロナウイルスの感染状況
このページでは、現在のスペイン国内における新型コロナウイルスの感染者数について、最新の情報が分かるグラフやチャートを紹介しています。
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スペインでは現在56名の陽性患者が発生中(累計で58人)

最新更新日時 2月29日21時50分(スペイン現地時間。日本時間は+8時間)26名追加(28日9名、29日17名)~細かい数値を訂正しました

現在のスペイン国内における新型コロナウイルス(新型肺炎、Covid-19)の陽性患者数は以下の通りです。

今回陽性が判明した人の詳細

今回新型コロナウイルス陽性が判明した人は次の通りです。

ハエン県アルホニージャの看護師の25歳女性

28日午後にアンダルシア州で感染が判明した2名はともに医療関係者です。

1人目は、ハエン県アルホニージャの看護師の25歳女性です。現在、マドリッドのトレホン・デ・アルドス大学病院の集中治療室で重体となっている渡航歴なしの77歳の男性の対応を行なった看護師さんです。25歳看護師は現在、オスピタル・アルト・グアルダキビルの隔離病棟に入院しており、容態は改善しています(情報元)。

セビリア県の医者の58歳男性

28日午後にアンダルシア州で陽性が判明したもう1人の医療関係者は、医師の58歳男性です。この男性医師は、セビリア県の渡航歴なしの62歳男性の治療に関わっていました。現在は、保健省のプロトコルに則って、自宅療養をしています(情報元)。

マラガ県フエンヒローラの59歳と62歳男性

29日午後8時にアンダルシア自治州政府が発表した情報によると、マラガ県フエンヒローラで59歳男性と62歳男性の新たな感染が判明しました。両者ともに、先日イタリアのエミリア=ロマーニャ州へ旅行した55歳女性と接触のあった人物です。両者とも容態は安定しており、自宅療養をお願いしています。

アストゥリアス州の70歳男性

29日夜に、アストゥリアス州で最初の陽性患者が判明したのは、70歳男性です。私立病院に自ら赴き、そこで既往歴なしの重症の肺炎と診断され、新型肺炎の検査を行ない陽性が判明しました。

なお、70歳男性の66歳妻にも症状が見られ、検査の結果待ちとなっています(情報元)。

バルセロナ県サン・クガットの58歳の女性医師

カタルーニャ州で4人目の陽性判定が出たのは、バルセロナ県サン・クガット・デ・バリェス在住の58歳の女性医師です。症状は軽度で、現在はバルセロナ市内のオスピタル・クリニックに入院しています。

この女性は、ドイツ国内で陽性が判明した人物と接触があったことが確認されており、ドイツ側からカタルーニャの疫学監察サービスへ連絡が行ったことで、検査を行なったところ陽性が判明しました(情報元)。

バルセロナ県サン・クガットの59歳男性医師

また、29日午前、先のサン・クガット在住58歳の女性医師の親族である59歳男性医師の陽性も確認されました。疫学監視サービスが、58歳女性医師の関係者57人の検査を行なったところ、この男性医師の感染が発覚しました。公衆衛生事務官のジョアン・ギシュによると、2人の医師の感染は、医療業務外で起こったものであると強調しています(情報元)。

ジローナ県の52歳の女性

29日午前、ジローナ県在住の52歳女性も新型コロナウイルス陽性が確認されました。彼女は、イタリアへの旅行歴がありました。

マドリッド県の77歳男性の関係者

28日午後、マドリッドでも新たに2名感染が確認されました。1人目は、既に陽性反応が出ているマドリッドの渡航歴なしの77歳の重体の男性の家族の女性です(66歳?)。この女性も、77歳男性と同じトレホン病院に入院していますが、症状は軽度とのことです(情報元)。

さらに29日午前になり、新たに確認された女性も同じく77歳男性の親族とのことです。この女性の容態も安定しており、同病院に入院中です(情報元)。

マドリッド県の46歳の女性

28日午後、さらにもう1人マドリッドで感染が確認されたのは、マドリッド県の46歳の女性です。この女性は現在、トレホン病院の隔離病棟に入院中ですが、容態は安定しています。渡航歴はありません(情報元)。

マドリッド県の「危険地帯」を旅行した男女2人組

29日午前に新たに陽性が確認されたのは、「危険地帯」と呼ばれる国(どこかは不明)を旅行してきた男女2人組です。現在は、10月12日病院に隔離された状態で入院していますが、カルロス3世病院に転院予定です(情報元)。

ナバラ州パンプローナ県の39歳の女性

29日夕方、ナバラ州で最初の新型肺炎患者が発覚しました。パンプローナの39歳の女性で、昨日、救急病院に入院したのち、新型コロナウイルスの検査を行なって陽性が判明しました。女性は欧州の国への旅行歴がありますが、いわゆる「危険地帯」と言われる国々への旅行ではありません。

現在ナバラ病院複合施設の集中治療室Bに入院中で、重体です。なお、この女性に持病等はありません(情報元)。

バレンシア県のスポーツ記者の関係者2人

2月28日午後、バレンシア州で陽性が確定した2人はともに、チャンピオンズリーグの試合(アタランタ対バレンシア)のためにミラノへ行った後、感染が発覚したインテルエコノミア・ラジオの44歳のスポーツ記者の関係者です。

1人目は、記者と同じくミラノへ旅行し、かつ44歳のスポーツ記者とも接触があった男性です。

もう1人は、ミラノへ行ってはいませんが、44歳のスポーツ記者とは接触のあった地元バレンシアの新聞ラス・プロビンシアスのスポーツ記者の男性です。

なお、44歳スポーツ記者さんとラス・プロビンシアスのスポーツ記者さんは実名で報道がされていて、ご本人もツイッター等で情報を発信しているようです(情報元1情報元2情報元3)。

バレンシア県で新たに3人

29日午前には、バレンシア県で新たに3人の感染が確認されました。詳細は不明です。

ちなみに、バレンシアで陽性が確認された13人の患者のうち、7人が44歳スポーツ記者の関係者です(情報元)。

ギプスコア県のイタリアへ旅行歴のある人物

28日午後、バスク州で最初に陽性確認がなされたのは、ギプスコア県の人物でイタリアに滞在歴のある人物でした(情報元)。

アラバ県のアンダルシアへ旅行歴のある女性医師

同じく28日午後、バスク州はアラバ県の女性医師も陽性が確認されましたが、この人物はスペイン国内はアンダルシア(マラガ)に過去15日間以内に滞在歴があるのとことです(情報元)。

アラバ県の女性医師

29日午前に判明したバスク州3人目の陽性患者は、アラバ県のTxagorritxu病院(ごめんなさい。バスク語読み方が分かりません!チャゴリツ?)で働く女性医師です。28日に感染が確認された女性医師も同病院に勤務しています(情報元)。

テネリフェのイタリア人医師の関係者1名

2月29日午後に、新たに感染が判明したのは、イタリア人医師の関係者です。先日、カナリア諸島はテネリフェのホテル滞在中に陽性が発覚したイタリア人医師の関係者として、イタリア人旅行者5名が隔離された状態でいましたが、そのうちの1人の感染が確認されました(情報元)。

マジョルカ島の若い女性

29日午前にマジョルカ島で新たな陽性患者が判明しました。15日以内にイタリアへの旅行歴がある若い女性です。熱、咳、だるさなどが見られ、現在パルマのソン・エスパセス病院の隔離病棟で入院しています(情報元)。

カンタブリア州最初の陽性患者

29日になり、カンタブリア州で最初の陽性患者が確認されました。過去2週間以内にイタリアに旅行歴のある人物ですが、年齢等は不明です。

エクアドルでスペインから帰国後感染?

また、スペインではなく南米の国エクアドルですが、スペインからエクアドルに帰国後に新型コロナウイルスの感染が確認されました。

スペイン在住の70歳のエクアドル人女性で、2月14日にエクアドルに入国しました。現在、女性は重体で、エクアドルの感染症に対応する病院で集中治療を受けています(情報元)。

この女性が本当に新型肺炎にスペインで感染したのだとしたら、2月14日には既にスペインに新型コロナウイルスが存在したことになります。

抗エイズ薬らの治療でセビリアの男性の容態が改善

セビリア県の渡航歴なしの62歳男性は、セビリア市内のビルヘン・デル・ロシオ大学病院に2月20日から入院していた患者で、当初両肺に肺炎の症状が見られました。同病院では、この男性に、抗エイズ薬として知られるロピナビルとリトナビル、さらにインターフェロン・ベータという3つの薬を組み合わせて投与したところ、症状の改善が見られました。

確かに昨日のニュースで、「容態は改善しており、直近24時間で熱はなく、呼吸困難も消失しています(情報元)」というのを見かけましたが、この治療を施したおかげだったのですね。

エル・パイスの記事によると、この治療法は、MERSといった他のウイルスに対しても良い結果を残しており、何より3つの薬はすべて認可済みの薬なので、安心して使えるのが良い点です。ただし、新型コロナウイルスに対する治療としては、治験数も少なく、未だ実験段階であるとしています(情報元)。

なお、現在、世界の各地では新型コロナウイルスに効く治療法を模索中ですが、利用を検討されている薬剤については、感染症専門医の忽那賢志先生の下記のページが分かりやすいです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200224-00164411/

今回スペインで行なわれた治療は、忽那先生の解説ページにあるカレトラ(ロピナビルとリトナビル)と、インターフェロンβを併用した治療法のようですね。

一日も早く有効な治療法が確立されることを願っています。

アラゴン州の若者の陽性は最終的に否定

なお、28日に感染が判明したアラゴン州サラゴサ県のサラゴサ県のイタリアに旅行していた27歳男性は、2度目に行なわれた検査で陰性となり、新型コロナウイルスの確定判断には至らず、陽性判定は取り消されました。

これでアラゴン州の陽性患者はゼロに戻りました。

~関連リンク~

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