本日は、海外から日本のテレビやビデオのサービスを見たい時に、使えるVPNのサービスについて考えてみます。
VPNって何?
海外に住んでいると、恋しくなるのが日本のテレビ。最近ではAmazonのプライムビデオやTverなどで、安価や無料で日本のテレビが気軽に見られるようになってきました。
そこでぶつかるのがIPアドレスの制限。海外からのアクセスに対して、IPアドレスではねられてしまい、見たいコンテンツが見られない、という壁にぶつかりがちです。
バーチャルプライベートネットワーク
これを解決するために存在しているのが数々のVPNのサービスです。
VPNというのは、バーチャルプライベートネットワーク(Virtual Private Network)の略です。
私は専門家ではないので、詳しいことはあんまり分かっていないのですが、もともとは、外部から企業とか大学のネットワークに接続する際に、通常のインターネット経由でアクセスするとセキュリティが弱くなるので、VPNというトンネルを経由して、あたかも同一LAN内からのようにアクセスする、といった形で使われていました。
確かに、昔、私も通っていた大学のイントラネットにアクセスするために大学へのVPN接続を行った記憶があります。
ですが、最近は、もっと別の利用法もなされています。
公共の無線LANでの利用
たとえば、公共スペースに設置された無線LAN(パスワードなしで気楽に接続できる場合が多い)に接続する際に、普通に接続してしまうと、自分のパソコンやスマホの情報を盗み見される危険性があるから、あえてVPN接続を介して通信内容を隠すといった利用法もされています。
サイトを匿名で閲覧
あるいは、政府ががっちがちに通信を管理してくる中国などの国在住の人が、海外のサイトを閲覧するためにVPNを介してアクセスするケースもあります。
匿名性が確保されたVPNサービスだと、どこの誰がアクセスしたのか分からなくなりますしね(犯罪に利用されたら嫌ですが…)。
別の国のコンテンツを自国民のように利用
そしてVPNは、自分がアクセスするIPアドレスが、VPNのサーバが設置されている国になります。ですので、たとえば、本当は日本にいるのに、アメリカからアクセスしているように見せかけることが可能だったりするのです。これを利用して、日本在住の人が、アメリカにサーバがあるVPNサービスを利用して、アメリカ国内でしか見られないはずのAmazonプライムビデオやNetflixのサービスを見る、といったことができるのでありました。
VPNサービスはどこがよい?
そして、ネットを探せば、VPNサービスを提供する会社は山のように出てきます。
私自身も、公共無線LANを使う際にセキュリティを確保したい、そして、海外にいながら、日本のテレビを見たいという気持ちからVPNサービスを利用するようになりました。
それでは、どういうVPNサービスが望ましいのでしょうか。
自分がいろいろ試してみた経験からコメントしてみます。
匿名性・セキュリティを考えるなら会社の信頼性を重視
まず、公共無線LANを使う際にセキュリティを確保したい、匿名性を確保したいという目的のみで利用するのなら、該当するVPNプロバイダは世界中にあると思います。ただし、自分の通信内容をトンネルさせるわけですから、それなりに信頼できる会社のVPNサービスを選択するのが無難ですね。
その意味で、海外の会社なら大手のExpress VPNあたりは無難な選択かなと思います。一方、日本の会社なら、Interlinkがおススメです。
もっとも、完璧な匿名性を求めるなら、自分名義のクレジットカードで支払っている時点でアウトなので、ビットコインなどの仮想通貨で払えるVPNサービスを探す必要があるのでしょうが…。今回はスコープ外なので割愛します。
日本のサービスの利用となると選択肢は狭い
ところが、VPNサービスを経由して、日本在住の人と同等に、日本のビデオやテレビ、音楽といったサービスを利用したいとなると結構選択肢が限られてきます。なぜなら、日本の会社ってけっこうシビアで、海外からのアクセスに対してすぐにIPアドレスの制限をかけてくるのです。
たとえば…な話をいくつかしてみます。
日本のメディア配信サービスでのVPN使用感
音楽配信サービス
音楽配信サービスといえば、最近充実してきているのが、定額で好きな音楽が聞き放題のサービスです。聞き放題サービスといえば、Amazon Music UnlimitedやGoogle music、Spotifyなどがありますが、邦楽が充実しているのが、dヒッツやAWAといった日本発の音楽配信サービスです。海外のサービスに比べると配信曲数は少ないですが、邦楽に限るとdヒッツやAWAの方が充実してたりします。
どちらのサービスも無料視聴期間があるので、実際に試してみて、聞きたいアーティストの曲がどの程度あるのかチェックしてみると良いでしょう。
とはいえ、ヒッツはドコモだからか、海外からのアクセスにかなり厳しいです。VPN会社からのアクセスではNGな感じでした。
海外からならAWAのサービスを契約するのが無難かもしれません。
電子書籍サービス
日本の本が気軽に楽しめるのが電子書籍サービスです。Amazon Kindle、楽天Kobo、Hontoなどがメジャーでしょうか。海外からでも気軽に本を頼めてすぐに読めるので、私も非常に重宝しています。
VPN経由での電子書籍サービスの利用は、比較的ユルい感じで海外からも利用可能です。ただし、Hontoのアプリは海外からのアクセスでは最初のインストールのみ、できなかったので、VPNを利用するか、日本にいるときにインストールして利用しはじめるのが良いと思います。
映像配信サービス
日本のテレビや映画が見られる映像配信サービスもかなり充実してきています。個別に映画を購入するのもそうですが、最近は、定額で見放題というサービスも増えています。
有料の配信サービスでは、Amazonのプライムビデオ、Hulu、Netflix、FODなどがあります。無料の映像配信サービスでは、Tver、Gyao、Abematvなんかがありますね。この中で私が普段利用するサービスについてVPNサービスの使用感を書いてみます。
Amazonのプライムビデオ
日本のAmazonプライムビデオは海外からのアクセスでも視聴できますが、見られるコンテンツがかなり限られてしまいます。なので、VPNで日本のサーバからアクセスしてフル視聴できる方が断然快適です。幸い、Amazonのプライムビデオは各種VPNサービスに優しくて、日本にアクセスポイントのあるVPN会社ならたいてい大丈夫だったりします。
TverやFOD
Tverは無料で民放のテレビ番組の見逃し配信が見られるアプリです。日本のドラマが大好きな私はとっても重宝しています。一方で、FODはフジテレビが提供する映像配信サービスです。FODは有料ですが、現在放映されているドラマの見逃し配信のみ無料で見られます。
このTverとかFODがけっこう厳しい。いくつか安価な海外のVPNサービスを試してみましたが、かなりの確率でNGでした。当初は私も安くでVPNサービスを利用したいと思っていましたが、Tverの壁は厚かったです。
Tverが大丈夫だったのは日本の会社であるInterlinkの提供しているVPNサービスでした。
ExpressVPNも良かったのですが、途中からNGになったような…。でも、今は復活しているかもしれないので、契約する際には無料お試し期間に視聴したいサービスがきちんと利用できるか確認してから契約することをおススメします。
しかも、どんなに安くても、日本のビデオサービスを見るためなら、1年契約とか長期の契約はやめた方が無難です。いつIPアクセス制限が来てNGになるか分からないので。
というわけで、Tverで見たい人はInterlinkにするのが無難かと思います。
Interlinkの素晴らしいことは最大2か月間、無料で試すことができるのです。月初めに利用開始するとまるまる2か月無料期間になるので、契約するなら月初めに行なうのがおススメです。InterlinkのVPNには、セカイVPNと固定IPの2つのサービスがあります。これを両方利用すると、最大4か月まで無料で使えます(^^♪。
長い無料期間中に、自分が利用したいサービスがきちんと視聴できるか試すのがおススメです。
通信速度も大切
もう一つ、VPNサービスを利用して、ビデオ視聴をする際に気を付けたいのが通信速度です。
ビデオを見るにはそれなりに通信速度が必要になってきます。それが遅いと、仮にVPN接続してビデオを見れたとしても、すっごく遅くて、画面が固まったりして、とても視聴するに堪えない環境だったりします。
たとえば、少し前にNord VPNというVPNサービスを試してみましたが、私の環境からはビデオは遅すぎて全くダメな感じでした。
Express VPNはその点、ビデオ視聴でもよいレベルでした。でも、Tverが途中で見れなくなったので…(今はどうなんでしょうね)。
Interlinkは、Tverも見られるし、通信速度もビデオ視聴できるレベルです。ただ、私の環境では、まれに遅くなります。
こればかりは、住んでいる国やネット環境に左右されるので、それぞれの環境で実際に試してみるのをおススメします。
もう一つの裏技
最後に、現在の私が利用しているVPSサービスを契約して自前でVPNサーバーを作る方法も別記事で紹介してありますので、ご参考くださいませ。Linuxの知識が多少ある方にはこちらの方法もおススメです。
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