【2020年2月27日更新】
スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数など最新のデータはこちらから確認できます
世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス(新型肺炎)。日を追うごとに陽性の患者さんの数は増え、感染者のいる国の数も広がっています。
先日より不定期でスペインにおける新型コロナウイルスの状況を、現地の新聞をななめ読みしながら、簡単に現状を紹介してきました(当ブログの新型コロナ関連の記事一覧はこちら)。
2月15日以前の情報や、主要なニュースサイト、新型コロナウイルスに対応している病院などの情報についてはこちらの過去記事をご参照ください。
また、日本のニュースサイトや世界の感染者情報については、こちらの過去記事で簡単なリンク集を作っています。
スペインに行く予定のある人、スペイン在住の人で、スペイン国内がどうなってるかよく分からないんだけど…という方の参考になれば幸いです。
2020年2月27日午後12時50分の現状~スペインは本日4名の陽性患者が発生(累計で17人)
現在陽性反応が出ているのは15名
最新更新日時 2月27日12時50分(スペイン現地時間)5名追加(26日夜1名、27日4名)
現在のスペイン国内における新型コロナウイルス(新型肺炎、Covid-19)の陽性患者数は、累計で17名(うち2名は回復)。具体的には以下の通りです。
- カナリア諸島ゴメラ島 2名(1名は既に回復)
- ドイツ人男性(回復)
- 2月上旬にイタリアを訪れた女性(New)
- カナリア諸島テネリフェ 4名
- イタリア人男性医師
- イタリア人医師の妻
- イタリア人医師の友人夫婦(2名)
- マドリッド州マドリッド県マドリッド 4名
- 渡航歴なしの77歳の重体の男性 (New)
- 渡航歴なしの50歳の男性(New)
- 24歳の男性
- 若者
- バレンシア州カステリョン県ビリャレアル 1名
- ミラノに旅行へ行っていた31歳の男性(回復)
- バレンシア州バレンシア県バレンシア 1名
- CLの試合でミラノに行った44歳のスポーツ新聞記者(New)
- カタルーニャ州バルセロナ県バルセロナ 3名
- 22歳のテネリフェの女性(New)
- 36歳のイタリア人女性
- 22歳の男性
- アンダルシア州セビリア 1名
- 渡航歴なしの62歳男性(回復)
- マジョルカ島 1名(回復)
- イギリス人男性(回復)
新たに感染が確認された人々の多くは、新型コロナウイルスへの感染が多数確認されている北イタリアに関連していますが、昨日感染が確認されたアンダルシア州はセビリアの62歳男性と、本日感染が確認されたマドリッドの2人は渡航歴がないようです。
カナリア諸島ゴメラ島の2名(1名は既に回復)
スペイン最初の感染者ドイツ人男性(回復)
スペインで最初の新型コロナウイルスの感染者となった男性は既に回復済みですが、詳細はこちらの過去記事をご参照ください。
イタリアへ旅行した女性(New)
2月26日夜に新たに感染が確認されたのが、ゴメラ島のバリェ・グラン・レイ(Valle Gran Rey)在住の女性です。
彼女は2月4日~8日までイタリアに滞在していました。現在は、ラ・ゴメラ総合病院にて入院・隔離がなされています(情報元)。
カナリア諸島テネリフェの4名
テネリフェの4名はいずれも、テネリフェの最初の感染者であるイタリア人男性医師とその関係者です。
イタリア人男性医師は、2020年2月17日より、テネリフェのホテル「H10コスタ・アデヘ・パレス」に宿泊していましたが、24日に具合が悪くなって25日に新型コロナウイルスへの感染が判明しました。
その後、医師の妻の感染も確認され、さらに一緒に同地を訪れていた友人夫婦の陽性も判明しました。
現在4人はいずれも、テネリフェ市内のサンタ・クルス・デ・テネリフェのカンデラリア大学病院内で隔離されています。
現在、当該ホテルは外部から遮断された状態にあり、25か国700~800人の宿泊客が足止めになっています(情報元1、情報元2)。
昨日の報道では、従業員200名、宿泊客1000人以上となっていたのですが、人数が減っている?なぜでしょう。数え間違いかしら。
マドリッド州マドリッド県マドリッドの2名
1人目は24歳の男性
マドリッドで初めて新型コロナウイルス陽性が確認されたのは、最近北イタリア(ミラノ近郊)へ旅行した24歳の男性です。
この24歳の男性は、2月23日にイタリアから到着し、25日に症状が出たので、マスク着用のうえ地元のクリニック(Centro de salud)を訪れました。そこでは、すぐに自宅に戻るように言われ、追って自宅に保健チームがやってきて検査を行なうからと言われました。そして自宅で検査を行ない、陽性が判明しました。
現在は隔離病棟があるカルロス3世病院に入院しています。現在は、咳、熱、痰などが見られますが、症状は安定しているとのことです(情報元)。
2人目はマドリッドの若い男性
次にマドリッドで2人目の陽性が確認されたのは、同じくマドリッドに住む若い男性です。
この男性は北イタリアへ旅行後、2月24日に症状が出現して、ヒメネス・ディアス財団病院を訪れました。同病院で検査を行ない陽性が発覚しました。その後、転院し現在は1人目の患者と同様カルロス3世病院に入院しています(情報元)。現在彼らに接触した人物の特定を進めています。
カルロス3世病院は、2014年にエボラ出血熱で輸送された患者さんから感染・回復した看護婦さんが入院していた病院ですね。
3人目は77歳の男性(渡航歴なし)
2月27日午後12時に行なわれた保健省の記者会見にて、昨日深夜と今朝、新たにマドリッドで2名の新型コロナウイルスの感染が確認されました。この2名については、最近他国へ旅行した形跡はなく、現在調査中ではありますが、セビリアのケース同様、市中感染が疑われます。
そのうちの1人目が、77歳の男性で、現在トレホン・デ・アルドス大学病院の集中治療室で重体となっています。この男性は、2月15日から同病院に入院していました(情報元)。
(追記)
この男性は3月8日にお亡くなりになられました。
4人目は50歳の男性(渡航歴なし)
2月27日に発表されたマドリッドの2人目は、50歳の男性で、2月24日から入院していました。現在はトレホン・デ・アルドス大学病院の隔離病棟におり、現在の容態は安定しています(情報元)。
バレンシア州カスレリョン県ボリアーナの1名(3月6日回復)
バレンシアはビリャレアルで新型コロナウイルスが確認されたのは、ビリャレアルの隣町ボリアーナ(Borriana)在住の31歳の男性です。
彼は最近ミラノへ旅行に行っていました。スペインに帰国後、熱が出たのでビリャレアルのラ・プラナ病院へ行き、新型コロナウイルスのテストの結果、感染が確認されました。
24日午前よりビリャレアルのラ・プラナ病院に入院しています。男性は、熱はあるものの容態は安定しているとのことです(情報元)。
なお、このほか3,4人のバレンシアCFのファンでミラノで同じ試合を観戦していた人がいましたが、現在自宅で経過観察中とのことです(情報元)。
(追記)
この男性は、3月6日の午前に退院許可が出ました(情報元)。
バレンシア州バレンシア県バレンシアの1名(New)
2月27日午前に、新たに感染が判明したのが、インテルエコノミアのラジオのスポーツ担当記者の44歳の男性です。
彼は、2月19日にミラノで行なわれた欧州サッカー・チャンピオンズリーグのアタランタ対バレンシアCFの試合を報道するためにミラノ付近を訪れていました。
現在男性は、バレンシア大学病院に入院しており、症状は軽いとのことです。
なお、バレンシアのホームスタジアム(メスタージャ)で行われるチャンピオンズリーグの第2レグの試合(バレンシアCF対アタランタ)は、3月10日が予定されていますが、実施・中止・延期等についてはまだ未定です(情報元)。
2月19日にCL試合観戦した人の無料電話相談を開設
今回、サンシーロスタジアムで行われたチャンピオンズリーグの試合には、バレンシアCFのサポーターが2500人ほど、スペインからミラノへ訪れていました。
こうした状況を受けて、バレンシア自治州政府は2月19日のチャンピオンズリーグ戦アタランタ対バレンシアをミラノで観戦した人々のために、無料電話相談窓口を開設しました。電話番号は900 300 555です。
この電話番号は、CL試合観戦者のみならず、バレンシア自治州内に住む人のための新型コロナウイルスに関する一般的な相談も受け付けているそうです。また、バレンシア自治州で感染の疑いがある人は、救急番号112に電話するか、かかりつけの医者に連絡することもできます(情報元)。
カタルーニャ州バルセロナ県バルセロナの3名
1人目は36歳イタリア人女性
カタルーニャはバルセロナで昨日感染が判明したのは、バルセロナ在住の36歳イタリア人女性です。この女性は、2月12日~22日までイタリアのミラノやベルガモといった地域を旅行しており、バルセロナに戻ったのちインフルエンザ様の症状を訴えて、自らバルセロナ市内のオスピタル・クリニック(カタルーニャ州の新型肺炎対応病院)に出向いて感染が判明しました。彼女の関係者38名も14日間の自宅待機が言われています(情報元)。
2人目は22歳の男性
2月26日先ほどカタルーニャで判明した2人目の陽性患者は、バルセロナ在住の22歳の男性です。男性は、ミラノに旅行後、体調を崩し、のどの痛みと37.5度の熱を訴えて、昨日25日夜にバルセロナ市内のオスピタル・クリニックに出向きました。本日陽性が判明しました。なお、彼の関係者14名も14日間の自宅待機が言われています(情報元)。
3人目は22歳のテネリフェ出身の女性(New)
2月27日新たにカタルーニャで3人目の陽性患者が確認されました。カナリア諸島はテネリフェに住む女性です。彼女は、2月19日~25日までミラノに滞在し、25日にバルセロナに旅行でやってきました。現在は、バルセロナのオスピタル・クリニックで隔離されています。
アンダルシア州セビリアの1名(3月2日回復)
そして、先ほど判明したのが、アンダルシア州最初の新型コロナウイルス患者となる62歳男性です。この男性は、ウエルバ出身のセビリア在住の銀行員でここ数週間はスペイン国外へ出てはいないとのことです。あえて思い当たる場所を挙げるなら、マラガで行われた会合に出席したことか、と話しています(情報元)。
この男性は、セビリア市内のビルヘン・デル・ロシオ大学病院に2月20日から入院していた患者で、他の地域への渡航歴はないとのことです(情報元)。
2月27日午後0時に行なわれた保健省の記者会見で、さらなる詳細が出ていました。この男性は旅行歴はなく、普通の生活を続けていたところ、2月13日から症状が現れ始め、20日に入院しました。両肺に肺炎の症状がみられ、片側は重度の肺炎とのことです(情報元)。
(3月4日追記)
なお、後日この男性には、抗エイズ薬とインターフェロンβを組み合わせた治療法を行なったところ大きな改善が見られました(関連記事)。2月28日にはほぼ症状が消失し、3月2日に退院の許可が下りて、回復済みとなりました(関連記事)。
マジョルカ島のイギリス人男性(2月14日回復)
マジョルカ島のイギリス人は既に回復済みですが、詳細はこちらの過去記事をご参照ください。
最近のニュースメモ
カタルーニャ自治州~検査拠点を増やす予定(2/26)
現在のところ、カタルーニャ自治州で新型コロナウイルスの検査を行なえる機関はバルセロナ市内のオスピタル・クリニックのみでした。同機関だけでも十分な検査数をこなせる能力はあるものの、検体を送る時間や検査が判明するまでの時間を減らすために、新たにリェイダ、ジローナ、タラゴナにも検査機関を設ける予定です(情報元)。
スペインが言う「危険地帯」に日本が追加される(2/26)
これまでスペイン国内での新型コロナウイルスの検査対象者は中国の武漢関係者とされていましたが、隣国イタリア含む世界各国で感染者が増大していることを受け、スペイン保健省は、新型コロナウイルス検査をする際の対象国として、国名をいくつか追加しました。
危険地帯の国々とは
具体的には以下の国々が「危険地帯」(Zona de peligro)となります。
- 中国
- 日本
- イラン
- 韓国
- シンガポール
- 北イタリア(ロンバルディア州、ピエモンテ州、ベネト州、エミリア=ロマーニャ州)
滞在歴のある人は軽度の症状でも注意を
過去14日間これらの国々を訪れた人々は、危険地帯からの帰国とみなされ、もし風邪のような症状が疑われたら、各自治州の保健サービスに連絡しなければいけません。その際には、自治州の救急番号(112か061、自治州により異なる。ちなみにカタルーニャ州は061)に電話をし、新型コロナウイルスの検査を受けることになります。
入院中の原因不明の呼吸器症状患者も対象に
さらに、現在各地の病院に呼吸器症状で入院中で、インフルエンザ陽性でもなく、肺炎球菌が原因でもない患者も、随時新型コロナウイルスの検査を受けていくことになります。
新たな検査条件はこうなった
つまりこれからは、
- 重篤な呼吸器症状がある人
もしくは
- 軽度の呼吸器症状があり、上記の「危険地帯」を2週間以内に訪れたことのある人
もしくは
- 既に陽性反応が出ている人と「濃厚接触」があった人
はみな、新型コロナウイルスに感染疑いのある者として検査の対象となります(情報元)。
ただし、上記の条件は、市中感染が未だ起こっていないことが前提なので、今後の感染拡大に伴い条件は随時変更されていくと思います。
濃厚接触の定義は?
ここでいう陽性患者との「濃厚接触」(Contacto estrecho)はどう解釈すべきかという件に関しては以下の通りです。
- 条件1
- 陽性患者もしくは、陽性が確定する前でも症状が出ていた時期に対象者を看病した人
- 医療従事者で適切な衛生保護措置を怠ってしまった人
- 陽性患者の家族もしくは、家族に類似する物理的接触のあった人
- 条件2
- 陽性患者もしくは、陽性が確定する前でも症状が出ていた時期に、2メートル以内の距離で対象者と同じ場所にいた人
- 条件3
- 陽性患者もしくは、陽性が確定する前でも症状が出ていた時期に、対象者と飛行機の中で前後左右2座席の範囲に座っていた乗客
- 対象者と接触があった飛行機の乗務員
なお、陽性でも症状が出ていない者に関しては、自宅療養も視野に入れていますが、現時点で陽性反応が出ている人々には適用されておらず、いずれも医療機関に入院しています(情報元)。
「危険地帯」へ旅行はできる?
自分の出身地(日本)を「危険地帯」と呼ぶのは、筆者自身はばかられるのですが、今回指定された「危険地帯」へ旅行はできるのでしょうか。
現在のところ、新型コロナウイルスの「危険地帯」と呼ばれる国に旅行することは禁止されていません。ですが、「必要でない限りは旅行すべきではない」と保健大臣は話しています(情報元)。いわゆる「渡航の自粛」というやつですね。
差別?恐怖?イタリア人学校の児童、プールを拒否される(2/26)
バルセロナの多目的スポーツ施設カン・カラジェウ(Can Caralleu)にて、イタリア人学校(Scuola dell’Infanzia Maria Montessori)の児童が、プールに入ることを拒否されたというニュースが出ていました。
スペインの学校の敷地内にプールが付属しているところは一部の大型校を除くと非常に少ないので、多くの学校ではスポーツ施設へマイクロバス等に乗っていき、プールの授業を受けます。今回はバルセロナの小学校御用達のスポーツ施設カン・カラジェウにて、イタリア人学校の幼稚園の年長組は問題なくプールに入れたものの、その後にきた年中組がプールに入ることを拒否されました。
プール運営側は、現在カーニバルの時期で白週間(Semana Blanca)を利用して旅行に行く人が多いこともあり、一人ひとりに質問していく中で、その年中組の中にイタリアを旅行した人が数名いたというのです。
バルセロナ市役所側は、プールに入ってはいけないという案内をしたことはないとし、施設側には今後同様のことが起こらないようにと指示を出したとのことです(情報元)。
このニュースをあえて書いたのは、このプール、うちの子供の学校が通っているところでもあるのです。うちの子も学校の授業の一環としてあるので、毎週行ってます。
イタリア人学校の気持ちは分かるんですけど、もしも、って考えると、施設側が子供たちに質問をし、イタリアから帰ってきたばかりと知ったら、拒否してしまう気持ちも分からなくはないです。実際、年長組にはいなかったからプールへ入るのを認めているわけだし。
一方で、日本も「危険地帯」と認識されたので、今後、日本人に対する同様の問題が起こってきたらどうしようという気持ちもあります。難しいですね。
2020年2月25日の現状~スペインは本日3名の陽性患者が発生(累計で5人)
これまで、スペインでの新型コロナウイルス陽性患者は、2020年2月1日にカナリア諸島のゴメラ島でドイツ人が1名、2020年2月9日にマジョルカ島のイギリス人が1名、報告されていましたが、その後両者とも全快していました。その後、特に新たな感染のニュースはなかったのですが、先週よりイタリアで新型肺炎患者が急増した流れを受けて、イタリアから移動してきた人々が検査されるにあたり、2月25日新たな感染者が判明しました。カナリア諸島テネリフェで2名、カタルーニャ州バルセロナで1名です。
その他、バレンシア、セゴビア、カステリョンで検査結果待ちの人が数名いますが、かなりの高確率で陰性が出ている(実際、昨日から報じられているムルシア、マラガ、リオハ、バスクの人たちは全て陰性が判明しています)ので、実際に陽性が出るまでは特別心配する必要はないと思います。
陽性が判明した方々の詳細は以下の通りです。
カナリア諸島テネリフェで本日最初の1名
本日2月25日、スペイン国内累計で3人目となる新型肺炎の陽性患者が発生しました。場所は、カナリア諸島はテネリフェです。
感染が確認されたのは、イタリア人旅行者の男性で、職業は医者です。近日、新型肺炎患者の増大で大騒ぎになっているイタリア北部のロンバルディア州から旅行でカナリア諸島にやってきて、当該地のホテルに1週間ほど滞在していました。昨日より具合が悪くなり、熱等の症状があったために、テネリフェ南部のキロン病院を訪問。彼の居住地がくだんのイタリア北部であったことから、新型コロナウイルスの疑いが持たれて、検査が実施されました。
1度目の検査は、スペイン保健省が配布しているキットを用いて、現地のサンタ・クルス・デ・テネリフェのカンデラリア大学病院で実施され、陽性反応が確認されました。国のプロトコルによると、陽性患者は2度目の検査をマドリッドのカルロス3世健康研究所の国家微生物学センターで実施する必要があります。既に、検体はマドリッドに送られており、本日中に2度目の結果が判明する予定です(情報元)。
イタリア人医師は、2人の家族とともにホテルを訪れていましたが、彼らはともに陰性の結果が出ているとのことです。→下に後述していますが、妻にも陽性反応が出ました。
無料電話相談も設置
なお、カナリア諸島自治州の保健局は、無料の電話相談所を開設しました。番号は、900112061です。カナリア諸島緊急サービス(SUC)の監修のもと看護師チームが応対します。予防方法や、ウイルスに感染した可能性の相談、ウイルスに関連した誤った知識などについての情報提供を行なっています(情報元)。
1200人以上がホテルで待機
なお、陽性反応が出たイタリア人の医師は、感染が判明するまで、カナリア諸島はテネリフェのホテル「H10コスタ・アデヘ・パレス」に妻を含む2人の家族と共に5日間滞在していました。
今回の感染を受けて、このホテルからの出入りが現在一切禁じられています。中には270人の従業員と、1000人程度の宿泊客がいます。彼らは今朝から、警察の監護のもと隔離状態となっています。全員に対して、新型コロナウイルス(Covid-19)に感染しているか否かが判明するまで、待機となっています。宿泊客の国籍は主に、英国、ドイツ、スペインと見られています。従業員と宿泊客には、今朝1000個のマスクと、209個の手袋が配布されました(情報元1、情報元2)。
なお、宿泊客に日本人が含まれるかは判明していません。日本の大使館か外務省の人が確認してくれるでしょう。
カタルーニャ州バルセロナで1名
こちらは先ほど入った情報ですが、カタルーニャ州(というかスペイン本土)最初の陽性患者が判明しました。
午後4時30分から行われたカタルーニャ自治州の公衆衛生事務官のJoan Guix(ジョアン・ギシュと書くのかしら)の記者会見によると、陽性が判明したのは、バルセロナ在住の36歳のイタリア人女性で、2月12日~22日まで、ミラノやベルガモといった地域を旅行していました。
バルセロナに戻ってきたのち、具合が悪くなったので、24日(月)の夜に彼女自らバルセロナの新型コロナウイルス対応病院であるオスピタル・クリニック(Hospital Clinic)に連絡をして検査を行ない、陽性反応が出ました。カナリア諸島のケースと同様、2度目の検査として、数時間以内にマドリッドの国立微生物学センターでの検査が待たれています
症状としてはインフルエンザ様の比較的軽めの病状で、現在は同病院に入院しています。彼女とバルセロナで接触があった人物(25人)は既に全員特定済みで、いずれの人も症状は見られませんが、これから14日間自宅で経過観察を行ないます。
また、ほかにも7~8人の疑わしいケースがあり、検査の結果待ちとなっているようです(以上情報元1、情報元2)。
カナリア諸島テネリフェでさらに1名
さらに、テネリフェで本日感染が確認されたイタリア人医師の妻にも陽性反応が出ました。これでスペインにおける新型コロナウイルスの感染者は累計で5名となりました(情報元)。
スペイン各地の大病院で肺炎の入院患者の中での陽性患者探しはじまる?
本日25日カナリア諸島でイタリア人医師の新型コロナウイルスの陽性反応が確認されました。さらに、隣国のイタリアではここ数日で新型肺炎の陽性患者が280人以上にのぼっています。
ここにきて、スペインの医療関係者が疑いだしたのが、「既にスペインにも新型コロナウイルスがやってきているのではないか」ということです。実際、新型コロナウイルスで肺炎を発症するまでには7~12日かかると言われています。今回はたまたまイタリアから来た人だったから検査がなされたけれど、実際はもっといるんじゃないか、と。
これまで、新型肺炎の検査の対象となっていた人は、
- 呼吸器症状があること
- 中国の武漢周辺と関わりがあったこと
この2点を満たす人でした。しかし、この条件はもはや意味をなさなくなっていて、各地の病院や自治体の要請によって、潜在的新型コロナウイルス患者探しが始まっています。とりわけ、600~1000床をかかえる大病院では、1日に1~2人ほど、通常とは違うタイプの肺炎で入院する人がいるとかで、状況を鑑みると100~150人はいるのではとも言われているのです。
というわけで、スペイン各地の大病院を中心に、インフルエンザをこじらせたわけでもなく、肺炎球菌が原因でもない肺炎患者を再度確認し、新型肺炎の検査を行なう試みが近日中に始まる様子です(情報元)。
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