スペインの新型コロナウイルス、3月4日~9日の気になるニュース

海外生活
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【2020年3月9日更新】

このページでは、スペインの新聞を読んで気になったニュースを取り上げていきます。

世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス(新型肺炎)。日を追うごとに陽性の患者さんの数は増え、感染者のいる国の数も広がっています。

先日より不定期でスペインにおける新型コロナウイルスの状況を、現地の新聞をななめ読みしながら、簡単に現状を紹介してきました(当ブログの新型コロナ関連の記事一覧はこちら)。

スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数など最新のデータはこちらから確認できます

グラフ・チャートで見るスペインの新型コロナウイルスの感染状況
このページでは、現在のスペイン国内における新型コロナウイルスの感染者数について、最新の情報が分かるグラフやチャートを紹介しています。

ここ数日、このブログは、スペインの新型肺炎のニュースサイトみたいになっていますが、事態を鑑みて暫定的に行っています。普段は普通のブログです。

  1. スペインの新型コロナウイルス感染者数は1210人(死者29人)
  2. スペインもブラックマンデー、株価下がる
  3. マドリッド州で感染者が急増中そして学校閉鎖
    1. 1日で感染者数が倍以上に
    2. 新型コロナ、112には電話しないで
    3. マドリッド州の全学校の閉鎖を決定
  4. ムルシア州で生後5か月の赤ちゃんが感染
  5. カタルーニャ州
    1. 2人の乳児の感染が確認
    2. 新たに2人が亡くなる
    3. 市役所職員の感染と市議会議員の自宅待機
    4. 保育士の感染が確認
  6. バスク州
    1. ビトリア市のすべての学校の閉鎖を決定
    2. 本日より休校した3つの学校
    3. バスク州から~37度以上の熱なら活動を控えて
  7. 学校はこれから閉鎖されるの?
    1. カスティーリャ・レオン州は学級閉鎖
    2. ナバラ州は通常どおり
  8. スペイン国内の犠牲者は17名に
  9. メノルカ島とムルシア州で新たな感染者が発生
    1. メノルカ島の男性医師
    2. ムルシア州の27歳女性
  10. スペイン国内の犠牲者は10名に
    1. 6人目はマドリッドの91歳男性
    2. 7人目はマドリッド州レガネスの83歳の男性
    3. 8人目はカタルーニャ州バルセロナ県バダロナ市の87歳の女性
    4. さらに2名の犠牲者を確認
  11. バルセロナの5つ星ホテルで新型コロナ陽性患者の利用が判明
  12. マドリッド州、老人福祉施設(デイサービス)の1か月閉鎖を決定
  13. 葬式へ出席したら…ラ・リオハ州の小さな街で起きたこと
    1. お葬式の参加者の多くがラ・リオハ州のアーロ市の人々だった
    2. 初めて新型コロナが判明したのはブルゴスの病院に行った52歳男性
    3. アーロ市が行なった思い切った施策
    4. ジプシー系住民への根拠のない噂が飛び交う
  14. アンダルシア州ではさらなる感染経路不明の患者を確認
  15. 3人目と4人目の犠牲者はともにマドリッドの老人福祉施設に入所の方々
    1. 3人目の方はマドリッドの99歳女性
    2. 4人目は、マドリッドのバルデモロの76歳
  16. さらに5人目の犠牲者はアラゴン州サラゴサの87歳男性
  17. アラゴン州感染者が1日で6人に増える
  18. スペインで2人目、バスク州で亡くなった人が判明
  19. カスティーラ・ラ・マンチャ州の感染者情報
    1. 最初の陽性患者はグアダラハラ県の62歳男性
    2. アルバセテとアルマンサの2名が追加
    3. 最初の陽性患者の関係者2人とトレドの2人
    4. 最初の患者の関係者4人とトメリョソの1人
    5. 県別の内訳
  20. バレンシアでスペイン初、いやヨーロッパ初の死者が判明
  21. カタルーニャ州でも軽症患者の自宅隔離が開始
  22. マドリッドとカスティーラ・ラ・マンチャ州で子供3人の感染が判明
    1. マドリッドの4歳の女児
    2. カスティーラ・ラ・マンチャ州の2人の子供
    3. 学校関連の新たな感染者
    4. スペインの学校の休校の予定は?
  23. サッカーやバスケの試合は無観客試合に?
    1. 無観客試合になりそうな4試合は?
    2. バレンシアのバスケットの試合は明日に迫っているので…
    3. CLの試合は無観客試合になっても飛行機はやってくる
    4. 屋外イベントも大丈夫?
  24. イスラエル、スペインを危険国認定?
  25. ~関連リンク~

スペインの新型コロナウイルス感染者数は1210人(死者29人)

3月9日19時30分現在(現地時間。日本は+8時間)、スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数は1210人(死者29人)となりました。すでに回復した人は30人以上です。

自治州別では、マドリッドが577人(17人死亡)と圧倒的に多く、その後をバスク州(149、6人死亡)、ラ・リオハ州(102)、カタルーニャ州(101、3人死亡)、アンダルシア州(54)、バレンシア州(37、1人死亡)、カスティーリャ・レオン州(33)、アラゴン州(32、3人死亡)、カスティーラ・ラ・マンチャ州(26)、カナリア諸島(22)、ガリシア州(19)、ナバラ州(13)、カンタブリア州(12)、バレアレス諸島(11)、アストゥリアス州(10)、エストレマドゥーラ州(7)、ムルシア州(5)と続いています。(情報元

過去のデータを見る

3月8日20時00分現在(現地時間。日本は+8時間)、スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数は606人(死者17人)となりました。すでに回復した人は30人以上です。

自治州別では、マドリッドが202人(8人死亡)と圧倒的に多く、その後をバスク州(102、5人死亡)、ラ・リオハ州(55)、カタルーニャ州(49、1人死亡)、バレンシア州(42、1人死亡)、アンダルシア州(35)、カスティーリャ・レオン州(30)、カナリア諸島(17)、アラゴン州(17、2人死亡)、カスティーラ・ラ・マンチャ州(15)、カンタブリア州(12)、バレアレス諸島(8)、アストゥリアス州(7)、エストレマドゥーラ州(6)、ガリシア州(5)、ナバラ州(3)、ムルシア州(1)と続いています。(情報元


3月7日16時30分現在(現地時間。日本は+8時間)、スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数は446人(死者10人)となりました。感染経路の分からないケースは16件、すでに回復した人は30人です。

自治州別では、マドリッドが174人(5人死亡)と圧倒的に多く、その後をバスク州(45、2人死亡)、ラ・リオハ州(39)、バレンシア州(37、1人死亡)、アンダルシア州(27)、カタルーニャ州(24、1人死亡)、カスティーリャ・レオン州(19)、カナリア諸島(18)、カスティーラ・ラ・マンチャ州(16)、アラゴン州(11、1人死亡)、カンタブリア州(10)、エストレマドゥーラ州(6)、バレアレス諸島(6)、ガリシア州(6)、アストゥリアス州(5)、ナバラ州(3)と続いています。(情報元1情報元2


3月6日午前11時30分現在(現地時間。日本は+8)、スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数は260人(死者5人)となりました。

自治州別では、マドリッドが137人(2人死亡)と圧倒的に多く、その後をバレンシア州(30、1人死亡)、バスク州(28、1人死亡)、カタルーニャ州(24)、ラ・リオハ州(17)、アンダルシア州(16)、カスティーラ・ラ・マンチャ州(13)、カスティーリャ・レオン州(13)、カナリア諸島(11)、カンタブリア州(10)、アストゥリアス州(7)、アラゴン州(6、1人死亡)、エストレマドゥーラ州(6)、バレアレス諸島(6)、ナバラ州(3)、ガリシア州(3)と続いています。(情報元


3月5日午前11時現在(現地時間。日本は+8)、スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数は215人となりました。

自治州別では、マドリッドが71人(1人死亡)と圧倒的に多く、その後をカタルーニャ州(28)、バレンシア州(22、1人死亡)、バスク州(17、1人死亡)、アンダルシア州(13)、カスティーラ・ラ・マンチャ州(12)、カスティーリャ・レオン州(12)、カンタブリア州(10)、カナリア諸島(8)、エストレマドゥーラ州(6)、バレアレス諸島(5)、アストゥリアス州(4)、ラ・リオハ州(3)、ナバラ州(3)、ガリシア州(1)と続いています。


3月4日19時現在(現地時間。日本は+8)、スペインにおける新型コロナウイルスの感染者数は200人となりました。

自治州別では、マドリッドが70人と圧倒的に多く、その後をバレンシア州(19)、バスク州(17)、カタルーニャ州(15)、アンダルシア州(13)、カスティーラ・ラ・マンチャ州(12)、カスティーリャ・レオン州(11)、カンタブリア州(10)、カナリア諸島(8)、ラ・リオハ州(7)、エストレマドゥーラ州(6)、バレアレス諸島(5)、アストゥリアス州(3)、ナバラ州(3)、ガリシア州(1)と続いています。

スペインもブラックマンデー、株価下がる

新型コロナウイルスは、人々の健康のみならず、経済にも大きな打撃を与えています。とりわけ本日3月9日は、新型コロナウイルスに加えて、石油をめぐるゴタゴタが重なりました。

先週のOPECプラスの会議でロシアとサウジアラビアの石油減産をめぐる協調が決裂したことから、価格戦争のようになり、原油価格が29年ぶり(1991年の湾岸戦争以来)の低い値となったのです。新型コロナと原油価格下落のダブルパンチで、世界中で株価の下落が相次ぎました。

9日のニューヨーク株式市場では、ダウ工業株30種平均が一時2000ドル超下落し、取引が一時停止されるなど、混乱が続きました。日本の日経平均が5%ダウン、韓国(4%↓)、オーストラリア(7.9%↓)そして、ヨーロッパ…と雪だるま式に下落幅が増えていき、ドイツ(Dax)とイギリス(FTSE100)で7%、フランス(CAC 40)で8.4%、イタリア(FTSE MIB指数)に至っては11.17%と株価の下落が起こりました。

スペインの株価指数Ibex35も例外ではなく、本日のみで7.96%の下落史上4番目となる数字です。それだけでなく、Ibex35は直近20日で、23.24%つまり価値が四分の一近くも下がってしまったのでした(情報元)。

マドリッド州で感染者が急増中そして学校閉鎖

1日で感染者数が倍以上に

3月9日午後5時にマドリッド自治州知事室が発表した情報によると、新たに8人が亡くなり、マドリッド州だけで16人の死亡が確認されました。また、昨日までマドリッドの新型コロナウイルスの感染者数は202人だったのに、本日は577人と倍以上に増加しました。

新たな感染者の1人として、大手電話会社オランジ(Orange)の女性従業員がいました。症状は軽く、自宅隔離となっていますが、会社に最後に行ったのは3月6日(金)でした。

新型コロナ、112には電話しないで

さらに、マドリッドの人が新型コロナについての相談をする際には、救急番号の112ではなく、900 102 112番を使用してほしいと呼びかけています。112番の回線がパンクしていると、全く別件の緊急事態の際に使用できなくなるからです。

なお、マドリッド州の報告によれば、マドリッド州で判明した感染者のうち集中治療室に入院する重症患者は全体の5パーセント、少し重症(un poco más graves)な患者が15パーセント、残りの80パーセントは軽症です。

SUMMA112と呼ばれるマドリッドの緊急医療サービスはこれまで、739件の検体を患者の自宅に直接訪れて採取しており、さらに165件採取予定があります(情報元)。

「少し重症」って重症なの、重症じゃないの、どちらかしら?

マドリッド州の全学校の閉鎖を決定

そして、9日午後8時過ぎに、マドリッド州のすべての学校を閉鎖する決定がなされました。具体的には、保育施設、小学校、中学校、高等学校、大学、要は全ての学校で、公立も私立も全てです。この決定で影響を受けるのは、150万人の生徒や学生で、期間は3月11日(水)~3月26日(木)までです(情報元)。

ムルシア州で生後5か月の赤ちゃんが感染

スペイン国内唯一感染者ゼロの自治州であったムルシア州ですが、昨日、マドリッドへ旅行した28歳女性(軽症で自宅隔離)の陽性が確認されてしまいました。

そして、本日9日になり新たに4人の感染が明らかになりました。うち1人は、生後5か月の赤ちゃんです。

生後5か月の赤ちゃんと34歳の母親は、普段はマドリッド在住で、週末をムルシア州のトタナ市で過ごすために、長距離バスを使って訪れていました。この34歳母親にも陽性反応が確認されており、2人はともにエル・パルマルのビルヘン・デ・ラ・アリシャカ病院に入院しています。2人とも症状は軽く、経過は良好です。この母子との濃厚接触者2家族が自宅で経過観察となっています(情報元)。

さらに、ペダニア・デ・チュラ市の27歳女性と、46歳のムルシア市の男性の陽性も判明して、現在ムルシア自治州の感染者は5名となっています。

なお、4人目の27歳女性は土曜から日曜の深夜に入院しましたが、経過は良好で、このままいけば火曜日には回復し、自宅隔離に移せることが期待されています。一方、5人目のムルシア市の46歳男性は軽症で、自宅隔離となっています(情報元)。

カタルーニャ州

2人の乳児の感染が確認

カタルーニャ州でも本日9日に、赤ちゃんの感染が確認されています。具体的には、生後6か月の赤ちゃんと、1歳の子供です。ともに軽症で、自宅で経過観察となっています(情報元)。

新たに2人が亡くなる

なお、カタルーニャ州では本日新たに2人が亡くなられました。1人は基礎疾患のある97歳男性で、3月6日からバルセロナの病院に入院しており、8日に亡くなられました。もう1人は、88歳女性で、2月27日から不調を訴え、3月6日よりバルセロナの病院に肺炎と呼吸不全で入院していましたが、9日に亡くなられました(情報元)。

市役所職員の感染と市議会議員の自宅待機

9日になって入ってきたのが、バルセロナ市役所職員の陽性が判明したというニュースでした。

感染したバルセロナ市役所職員が勤務していたのは、「経済、人材、経済推進部門」という部署。濃厚接触者として39人が確認されました。

うち市の政治の中枢を担う市議会議員との接触もあったようで、ジャウマ・コイボーニ、ジョルディ・マルティ、モンセラット・バリャリンといったカタルーニャ社会党の市議会議員らが、予防措置として自宅で経過観察となっています(情報元)。

保育士の感染が確認

さらにバルセロナ市グラシア地区の市立保育施設で働く保育士の感染も確認されました。保育士の濃厚接触者16人が自宅で経過観察となっています。

また、保育士の感染は週末に判明したため、9日月曜日より当保育施設は少なくとも2週間、閉鎖となりました(情報元)。

なお、先の市役所職員と保育士はともに、症状は軽く経過は良好とのことです(情報元)。

バスク州

ビトリア市のすべての学校の閉鎖を決定

バスク自治州は、アラバ県ビトリア市のすべての学校とバスクの公立大学(バスク大学)の閉鎖を決定しました。自治州政府の教育部門の説明によると、「学校で新型コロナウイルスの感染が広まっているから閉鎖するとか、子供の健康上の理由なのではなく、子供が(他の層に)感染を広げる対象になりかねないための予防的措置」、としています。

今回、バスク州アラバ県ビトリア市内のすべての学校が閉鎖されたことで影響を受けるのは、六万三千人の生徒と、70の保育施設および小・中・高等学校です(要は全部)。加えて、バスク大学のキャンパスや、学校の課外活動や時間外保育等も全て停止になります。停止期間は明日10日~23日の2週間です。なお、学校の停止期間中も、教員や学校関係者の業務は継続します。クラスはなくとも教務はあるから、とのことです。

本日より休校した3つの学校

一方で、ビトリア市の学校の閉鎖は明日からですが、本日既に3つの学校が他より早く14日間の閉鎖を決定していました。

まずは、ラ・リオハ州アーロ市(3月7日のニュースで詳しくお伝えしたクラスターの発生している地域)に近いバスク州アラバ県バスティーダの2つの学校です。

当該学校の生徒が陽性患者2人と接触があった後、もう一つの学校とフットサルの試合を行なったことが閉鎖の背景にありました。200人の生徒が影響を受けますが、8日の午後に決定していました。

もう1校は、アラバ県ビトリア市のイカストラ(バスク語を用いて教育を行なう学校)です。オドン・デ・アプライスという公立学校の教師2人の陽性が確認されたためで、月曜朝イチでWhatsAppで保護者に連絡が行き、クラスの中止が決定しました(情報元)。

スペイン国内における学校の閉鎖としては、これらが初めてでした。

なお、バスク州では9日、69歳女性が亡くなり、自治州内の死者が6名となりました。バスク州内の感染者は3月9日18時の時点で148人で、うち47人が入院しています(情報元1情報元2)。

バスク州から~37度以上の熱なら活動を控えて

なお、バスク州政府はすべてのバスク住民に対して、子供が学校に行く前と、学校に帰ってきた時の1日2回、熱を測ることを推奨しています。そして、37度以上の熱があったり、呼吸器系の症状がある場合は、学校へ行かないようにとのことです。また、医療機関へのお見舞いや、介護施設へ高齢者を訪問する際にも、事前に熱を測って、同じく37度以上ある場合は訪問を控えてほしいと述べています(情報元)。

学校はこれから閉鎖されるの?

スペイン国内の学校が今後閉鎖されるかは、未知数です。というのも中央政府の保健省は、学校の全国的な閉鎖には消極的であり、あくまでも必要に応じて局所的に閉鎖すべきと考えている一方、各自治州によってその対応にはバラつきがあるからです。

…と当初はこう書いたのですが、9日午後8時すぎにマドリッドの全教育機関の閉鎖が決定されました。このインパクトは大きく、状況の変化によっては他の自治州がこれに続く可能性は高くなりました。

カスティーリャ・レオン州は学級閉鎖

カスティーリャ・レオン州は3月9日午後に、ブルゴス県ミランダ・デ・エブロ市の公立のアンドゥーバ幼稚部の年中組A、小学校2年A組、4年B組の3月18日までの学級閉鎖を決定しました。これで影響を受けるのは81人の生徒と11人の教員です(情報元)。

カスティーリャ・レオン州は、学校ではなく学級ごとに閉鎖する方針のようです。

ナバラ州は通常どおり

ナバラ州でも、3月6日にパンプローナ市のバラニャイン学校の幼稚部・小学校の27歳女性教員の感染が発覚しましたが、クラスは通常どおり行われています。

パンプローナ市の27歳女性教員は、アラバ県で陽性患者と接触した後、軽い症状に気付きすぐに医療機関に入院したため、学校への影響は小さいとしています。同学校の保護者は、児童の体温を毎日朝夕の2回14日間にわたって計測し、万一熱が出たら、すぐに救急(112)に連絡することになっています(情報元)。

 

3月8日のニュースを見る

スペイン国内の犠牲者は17名に

【2020年3月8日】

3月8日日曜日、スペイン国内における新型コロナウイルスの犠牲者は7名増えて計17名となりました。具体的には、以下の通りです。

マドリッド州では3人。トレホン病院の集中治療室に入院していた渡航歴なしの77歳の重体の男性と、南東病院で亡くなった88歳の男性、ヒメネス・ディアス財団病院にて亡くなった73歳男性です。

また、アラゴン州でも新たに1人亡くなりました。

サラゴサのロサノ・ブレサ大学病院に入院していた85歳の男性が8日の早朝に亡くなりました。

さらに、バスク州でも3人の訃報が確認されました。

アラバ県の92歳と88歳の女性、ビスカヤ県の87歳女性です。3人にはいずれも基礎疾患があったとのことです(情報元)。

メノルカ島とムルシア州で新たな感染者が発生

【2020年3月8日】

これまで感染者ゼロだった地域でも、新たな陽性患者が確認されました。ムルシア州とメノルカ島です。これで、セウタ、メリリャの飛び地領を除くスペインの自治州すべてに新型コロナウイルス感染患者が存在することとなりました。

メノルカ島の男性医師

バレアレス諸島では、すでにマジョルカ島で6人(うち1人は回復)の感染が確認されていたほか、6日にはイビサ島でも北イタリア出身の男性の感染が確認されていました。

今回、メノルカ島で最初の新型コロナウイルス感染が確認されたのは、マテウ・オルフィラ病院の男性医師です。6日に体調に異変を感じた男性医師自ら救急に赴き、そのまま入院となりました。感染経路は不明ですが、唯一思い当たるのは、隣のマジョルカ島に2日間ほど滞在していたことです。

衛生当局は、男性医師が勤務する病院の医療関係者や患者らの濃厚接触者の特定を開始しました。男性医師は隔離病床に入院しており、容態は安定しているとのことです(情報元1情報元2)。

ムルシア州の27歳女性

これまでスペインの自治州で唯一の新型コロナ感染者ゼロの地位を保っていたムルシア州でも、ついに出てしまいました。27歳女性で、最近マドリッドへ旅行に行っていました。これまで、150件ほどの検査をしてきて全て陰性の結果を出していたムルシア州ですが、今回は2回の検査結果とも陽性。27歳女性は、ビルヘン・デ・アリシャカ病院に入院しました。

ムルシア州では、新型コロナウイルスに関する相談を、電話番号900121212(無料)で月~金の8時~20時まで受け付けています(情報元)。

3月7日のニュースを見る

スペイン国内の犠牲者は10名に

【2020年3月7日】

3月7日の時点でスペイン国内における新型コロナウイルスの犠牲者は10名になりました。昨日この記事を書いた段階での犠牲者は5名でしたが、同日中に3名増え、さらに7日になり2人増えた次第です。具体的には以下の通り。

6人目はマドリッドの91歳男性

3月6日に亡くなったマドリッドの91歳の男性は、3月5日にスペイン3人目の犠牲者となった99歳女性と同じ老人福祉施設に入所していました。マドリッドの中心地レティ―ロ公園のそばにあるラ・パスという施設です。

99歳女性が亡くなった後、この老人福祉施設では新型コロナの検査を行ない、14人の陽性が確認されていました。うち、13人が入所者、1人が介護士で、うち3人が集中治療室に入院する重症です。しかし今回お亡くなりなった91歳男性は、これらの陽性患者にはカウントされていませんでした(情報元)。

7人目はマドリッド州レガネスの83歳の男性

3月6日の午後にマドリッドで4人目、スペインで7人目の犠牲者が判明しました。

マドリッドのレガネス市の83歳男性で、同市のセベロ・オチョア病院で亡くなりました(情報元)。

8人目はカタルーニャ州バルセロナ県バダロナ市の87歳の女性

さらに、6日午後に入った情報で、カタルーニャ州最初の犠牲者が判明しました。基礎疾患のある87歳女性です。

女性は、3月5日午前9時30分に、バルセロナ県バダロナ市カン・ルティ地区のジェルマンス・トリアス・イ・プジョル病院の救急に重症患者として搬送されてきました。発熱、呼吸不全、血行動態が不安定など、いわゆるショックの兆候が見られ、レントゲン検査を行なったところ、両肺に肺炎の症状が見られました。すぐに新型コロナウイルスの検査が行われ、陽性が判明しました。救急ではすぐに患者の隔離が行われ、家族と相談の結果、特例の処置は行わず、抗ウイルス薬の投与が行われましたが、翌6日15時15分に亡くなられました。

なお、87歳女性には、陽性患者との接触歴はなく、また海外への渡航歴もありませんでした。現在カタルーニャ州では、様々な医療機関の100人程度の医療従事者が、新型コロナ陽性患者と接した後、自宅隔離を行なっています(情報元1情報元2)。

さらに2名の犠牲者を確認

3月7日になって、新たに2人の亡くなった人が確認されました。マドリッドの91歳男性と、バスク州アラバ県の90歳男性です。これで、スペイン国内における死者は10名になりました(情報元)。

バルセロナの5つ星ホテルで新型コロナ陽性患者の利用が判明

【2020年3月7日】

バルセロナ市内の有名5つ星ホテル「ホテル・アーツ」に新型コロナウイルスの陽性患者が宿泊していたことが判明しました。バルセロナは海沿いのビラ・オリンピカ地区にある超高層ホテルなので、ご存じの方も多いことでしょう。くだんの宿泊客は、3月1日~4日の期間にホテルを利用しており、ホテルを出た後に、新型コロナ陽性が確認されました。

…こう書くと、ホテルを出てからずいぶん経ってから感染が判明した感じがしますけど、エル・ペリオディコ紙の情報によると、その宿泊客は、ホテル滞在中に具合が悪くなり、ホテル側に医療サービスを頼み、直接ホテルから病院に向かい、そこで新型コロナウイルス陽性が判明したそうです。…って、めっちゃホテル滞在中の出来事ではないですか!

ホテルを経営するマリオットグループによると、当該宿泊客に接した従業員についてのみ自宅隔離の措置を取ったほか、共有エリアや宿泊した部屋等について消毒の措置を行なったとのことです。

一方で、ホテル・アーツは現在も通常どおりの営業を続けており、従業員がマスクをするなどの対策は考えておらず、現在でも問題なくホテルの予約もできるそうです。当該宿泊客がその後、入院したか否かについてホテル側は把握していません(情報元1情報元2)。

同じようなことが起こったカナリア諸島テネリフェのホテルでは、宿泊客を隔離するなど、もっときちんと対応していたような。
ホテル・アーツは、こんなざっくりした対応で本当に大丈夫なのかな。チェックインしてすぐの出来事だったのかしら?

 

マドリッド州、老人福祉施設(デイサービス)の1か月閉鎖を決定

【2020年3月7日】

マドリッド州は3月6日の決議をもって、これから1か月間マドリッド州内の老人福祉施設(デイサービス)を閉鎖することを決定しました。

この決定で影響を受けるのは、213か所の老人福祉施設です。うち、10か所は私立の施設、残りの203か所は市立かAMAS(マドリッド・ソーシャルケア・エージェンシー)の施設です。同時に、小規模のグループホーム等も閉鎖されます。現時点で、閉鎖の期間は1か月ですが、延長される可能性もあります。

今回の老人福祉施設閉鎖(デイサービス)の理由として、利用者がみな高齢で新型コロナウイルスの感染による影響を受けやすい人々であり、公衆衛生にとって差し迫ったリスクがあることを挙げています。

実際に、マドリッド市内の同じ老人介護施設で99歳女性と91歳男性が亡くなっており、同施設では他に13人の感染が確認されています。また、昨日亡くなったマドリッド州バルデモロ市の76歳の男性もデイサービスを利用していました。このデイサービスの施設でも15人の陽性(うち4人は重症)が判明しています(情報元1情報元2)。

葬式へ出席したら…ラ・リオハ州の小さな街で起きたこと

【2020年3月7日】

本日3月7日のの新型コロナ感染者数を見ていたら、ラ・リオハ州が1日で17人から39人に増えていて、一体どうしたのかと思いましたら、1件のお葬式から感染が一気に広がった可能性が指摘されていました。

お葬式の参加者の多くがラ・リオハ州のアーロ市の人々だった

始まりは、お隣のバスク州ビトリアのエル・サルバドールの葬儀場で2月23日に行われたお葬式でした。40代の男性が亡くなられ、100人以上の人がお葬式に参列しました。この葬儀に参加した人やその関係者のうち60人以上の新型コロナ感染が判明したのです。多くの人がラ・リオハ州のアーロ(Haro)市の人でした。

歴史ある街アーロ市はリオハ(DOC)のワイナリーで有名な場所でもあります。毎年聖ペドロの祝日(6月29日)には、ワインをかけあうワインの戦いが行われたりして。そんなワインの街アーロ市と隣のカサラレイナ村だけで31人の新型コロナの感染者が出ました(うち6人が入院で、25人が自宅隔離、141人が陰性)(情報元)。これとは別に、この葬式の関係者25人の感染者は、バスク州アラバ県に住んでいる人たちだそうです。

初めて新型コロナが判明したのはブルゴスの病院に行った52歳男性

最初に、この地域で新型コロナウイルスの感染が判明したのは3月1日のことでした。

カスティーリャ・レオン州ブルゴス県のミランダ・デ・エブロ市にて、52歳男性が同市のサンティアゴ・アポスタル病院の救急に訪れ、咳と熱と肺炎様の症状があり入院。男性にはイタリアや中国などへの渡航歴はありませんでしたが、症状から医療関係者の判断で検査に踏み切り、陽性が確認されました。

この52歳男性がラ・リオハ州のアーロ市出身でした。ですが、よく調べて見ると、現在は隣の村のカサラレイナ村(人口1200人弱)に住んでいることが判明。52歳男性は、当初は近所のカサラレイナ村の診療所を訪れましたが、そこの女医に大きな病院に行った方が良いといわれ、村から遠くないブルゴスのサンティアゴ・アポスタル病院の救急へ赴いたようです(情報元)。

この辺りの地域は、ラ・リオハ州、カスティーリャ・レオン州、バスク州という3つの自治州の境界にあり、住民は3つの自治州を頻繁に行き来しています。

この男性も、2月23日の例のビトリアの葬儀に参加していました。そこから関係者を洗っていったら、芋づる式に新型コロナの陽性患者が増えていきました。現在も増加中です。この葬式にイタリアに滞在していたビトリア在住のカップルがいたという話も聞かれました。

また、この葬儀の参加者には、非カトリックの某宗派(偶然にも、マドリッドのトレホンやレガネスで発覚した集団感染の場となったのと同じ宗派)の信者が多くいて、平日午後に行なわれる礼拝に参加していたことも感染の拡大の一因になったと言います。

さらに、52歳男性は感染が発覚する前に誕生日を祝うべく、カサラレイナ村の自宅で大規模なバーベキュー大会を催しており、この参加者も後に濃厚接触者としてカウントされることになります(情報元)。

そして、この男性の感染が発覚したのと同時期に、バスク州アラバ県ビトリア市のTxagoritxu(チャゴリツ?)病院で確認された一連の感染がありました。このTxagoritxu(チャゴリツ?)病院で起こった感染のうちいくつか(数は不明)が、同じお葬式と関係ある可能性も囁かれています(現状は、マラガ旅行の女医さんが感染者0号とされていますが)(情報元)。

アーロ市が行なった思い切った施策

現在の新型コロナ感染者数を人口で割ってみると、マドリッド州は10万人に2.05人、バスク州は10万人に2.04人なのに対して、人口の少ないアーロ市では10万人に12.5人となってしまいます(アーロ市の実際の人口は1万2千人ですが)。

このため、アーロ市では大胆な策に出て、映画や観劇といった室内で行われるスポーツ以外のすべての活動を停止。室内外にかかわらずスポーツ競技はすべて無観客試合で開催としました。

結局、リオハフットボール協会は、アーロ市で週末に行われる予定だったサッカーの試合はすべて中止とし、唯一セグンダBリーグの試合で3月8日にバスク州のスビエタで行われるレアル・ソシエダB対アーロ・デポルティーボのみ開催予定となりました(情報元)。

そのほか、アーロ市の医療施設を訪れる患者の来院も制限し、教会での儀式や物品に伴う衛生対策も徹底しました。

ジプシー系住民への根拠のない噂が飛び交う

一方で、今回の感染者が主にジプシー系住民であったこともあり、SNS上では根拠のない噂が飛び交いました。その最たるが、「入院中の52歳男性が病院を脱走した」というもの。あるいは「アーロ市全体が封鎖された」というものもありました。

ですが、52歳男性は実際は脱走していませんし、アーロ市全体が封鎖されたのではなく、濃厚接触者や軽症の陽性患者の家庭の住居がある一角が、自宅隔離となったのでした。そして、自宅隔離の際に一部の住人が抵抗して自宅から飛び出したため、警察や消防が出動する騒ぎとなり、自宅隔離者を地元の警察が監視するという事態に発展しました。さらに、対象住民が隔離を厳守できない場合は3000~60万ユーロの罰金を課すことになりました(情報元1情報元2)。

地元のジプシー系住民団体は、「ネットやメディアでの根拠のない噂や風説の流布により、同民族に対する風当たりが強くなっている」と非難の声明を出しています(情報元)。

なお、保健省CCAESの担当者フェルナンド・シモン氏は、これらの件はいずれも限られたグループやイベント内で発生しており、スペイン国内における現在の新型コロナウイルスの感染状況は、共同体にとって脅威となる状態ではないとしています(情報元1情報元2情報元3)。

アンダルシア州ではさらなる感染経路不明の患者を確認

【2020年3月7日】

アンダルシア州では3月6日に新たに6人の感染が確認されました。うち3人のケースは、感染経路が不明となっています。具体的には、マラガ県マラガ市のキロンサルー病院に肺炎で入院した37歳の男性と、マラガ県マルベーリャ市のコスタ・デル・ソルに肺炎で入院した53歳の男性と、マラガ県ロンダ市のセッラニア病院に肺炎様の症状で入院した70歳の男性です。いずれのケースにも、外国への渡航歴はなく、感染経路の調査中です。

また、アンダルシア州では新たに新型コロナウイルスの検査拠点を3つ増やし、計5拠点で検査が行なえるようになりました。現在アンダルシア州で新型コロナウイルスの検査を行なっているのは以下の5つのラボです。

なお、アンダルシア州の新型コロナウイルスに関する相談は特設の電話番号955 54 50 60 で24時間受け付けています(情報元1情報元2)。

3月6日のニュースを見る

3人目と4人目の犠牲者はともにマドリッドの老人福祉施設に入所の方々

【2020年3月6日】

昨日より新型コロナウイルスの犠牲者の方が増えてきました。これまでのすべての方々が、亡くなった後(または直前)に新型コロナ陽性が判明したケースです。

3人目の方はマドリッドの99歳女性

3月5日には、スペイン国内における3人目の新型コロナウイルスの犠牲者が判明しました。マドリッドの99歳女性です。99歳女性には、基礎疾患があり、グレゴリオ・マラニョン病院で亡くなった後、新型コロナウイルスの陽性反応が確認されました(情報元)。

99歳女性は、マドリッドの中心地、レティ―ロ公園のすぐそばにある老人福祉施設ラ・パス(70~80人の利用者あり)を利用していました。

エル・パイス紙が女性の娘に行なったインタビューの要旨を紹介します。

老人福祉施設で過ごしていた99歳女性は、数日間熱が続いていました。不審に思った家族が、施設に救急車を呼ぶよう要請し、3日1日より老人福祉施設のすぐそばにあるグレゴリオ・マラニョン病院に入院しました。その2日後の火曜日に亡くなったことを知らされました。家族は死亡診断書を見て、女性が新型コロナに感染したことを知ったそうです。

女性が亡くなるまでの間、家族らは女性にキスをしたりハグをして接しており、患者が目の前で咳をするのも目撃しています。99歳の女性の娘さんであれば、それなりにご高齢でしょうし、ぜんそくなどの持病もある様子。自分たち家族も感染していたら…と不安な日々を過ごしているようです(情報元)。

4人目は、マドリッドのバルデモロの76歳

3月6日になり、新型コロナウイルスで亡くなったことが判明したのが、基礎疾患のある76歳男性でした。

この男性は、マドリッドのバルデモロ市立の老人福祉施設のデイサービスを利用していました。

同市のインファンタ・エレナ病院にて昨日5日午後に亡くなりました。

男性が通っていた老人福祉施設の利用者に新型コロナウイルスの検査を行なったところ、16人の陽性反応が確認され、うち4人は集中治療室に入院する重症です。この老人福祉施設は現在、活動を中止しています(情報元)。

さらに5人目の犠牲者はアラゴン州サラゴサの87歳男性

【2020年3月6日】

3月6日朝には、アラゴン州サラゴサ県の87歳男性が亡くなった情報も伝わりました。

87歳男性には基礎疾患もあり、2月29日よりヌエストラ・セニョーラ・デ・グラシア・デ・サラゴサ病院に重症の肺炎で入院していましたが、5日夜に、サラゴサのラボで行なわれた新型コロナの検査で陽性が確認されていました。6日朝になり、国立微生物学センターにて陽性が確定されましたが、今朝方に亡くなられました(情報元1)。

アラゴン州感染者が1日で6人に増える

【2020年3月6日】

さらに、アラゴン州には、原因不明の肺炎により2月27日よりサラゴサ・オスピタル・クリニックに入院中の79歳男性がいますが、この男性の新型コロナ陽性も今朝確認されました。男性は今も同医院の集中治療室にいて重症です。

アラゴン州は昨日までは新型コロナウイルス感染者はゼロでした。一度、2月28日に27歳若者の感染が確認されましたが、その後の国立微生物学センターの検査で否定され、ゼロになっていたのです。それが今日になり、87歳男性が亡くなったタイミングで一気に6人に増えました。

6人のうち2人は感染が確定済み(1人は亡くなった男性)で、あとの4人はマドリッド州マハダオンダ市の国立微生物学センターで行われた検査の確認待ちになっています(スペインでは、地元のラボと中央の国立微生物学センターの2度の検査で新型コロナの感染が確定します)。

最終結果の確認待ちの4人のうち、3人はサラゴサのオスピタル・クリニックに入院中で、1人目は3月3日から入院中の60歳男性、2人目は2月28日から入院中の81歳男性、3人目は3月5日に入院した92歳女性です。いずれの患者さんも、重症ながらも容態は安定しているとのことです。

残りの1人の47歳男性は症状が軽く、自宅隔離となっています(情報元1情報元2情報元3)。

3月5日のニュースを見る

スペインで2人目、バスク州で亡くなった人が判明

【2020年3月5日】

3月4日19時過ぎに、スペインで2人目となる新型コロナウイルスの犠牲者が判明しました。バスク州在住の慢性疾患を持つ82歳の男性です。

この男性は、ビスカヤ県のガルダカオ病院に入院している患者さんでした。男性は原因不明の肺炎で入院しており、4日に新型コロナウイルスの検査を行ない陽性の結果が出ましたが、数時間後にお亡くなりになりました(情報元1情報元2、)。

カスティーラ・ラ・マンチャ州の感染者情報

【2020年3月5日】

現在、カスティーラ・ラ・マンチャ州では4日に先述の2人の子供を含む計5人の感染が判明し、現在カスティーラ・ラ・マンチャ州内の感染者は12人となっています。うち、6人が入院中、6人が自宅隔離です。

気が付いたらカスティーラ・ラ・マンチャ州の感染者が増えていたので、少しおさらいしておきますと…。

最初の陽性患者はグアダラハラ県の62歳男性

カスティーラ・ラ・マンチャ州最初の陽性患者となったのは、グアダラハラ県の62歳男性です。

この男性には基礎疾患はなく、2月27日に呼吸器感染症でグアダラハラ大学病院に入院しました。29日に容態が悪化し、集中治療室に転院、その後新型コロナウイルスへの感染が確認されました。現在この男性は、重症ながらも容体は安定しています。なお、男性の感染経路は不明です(情報元)。

アルバセテとアルマンサの2名が追加

その後、3月2日(月)に、アルバセテ県アルバセテの23歳アルマンサの30歳の男性の2人の感染が確認され、ともに隔離病棟に入院となりました。

最初の陽性患者の関係者2人とトレドの2人

さらに3日(火)、グアダラハラ県の陽性患者の関係者2人と、トレド県の男性2人が追加されました。トレド県の2人は、トレドのビルヘン・デ・ラ・サルー病院に入院しています。

トレドとアルバセテの患者さんはともに軽症とのことです。

最初の患者の関係者4人とトメリョソの1人

そして4日の新たな5名のうち、グアダラハラ県の4人(子供2人を含む)はいずれも、1人目の陽性患者62歳男性の関係者です。

一方、シウダ―レアル県トメリョソ(Tomelloso)の1人は性別や年齢は不明ですが、軽症で自宅隔離になっています。

県別の内訳

というわけで、現在の感染者12人の県別の内訳は、

グアダラハラ県が7人、トレド県が2人、アルバセテ県が2人(アルバセテ1人、アルマンサ1人)、シウダ―レアル県が1人(トメリョソ)

となっています(情報元)。

3月4日のニュースを見る

バレンシアでスペイン初、いやヨーロッパ初の死者が判明

【2020年3月4日】

昨晩は3月3日夜遅くに報じられたスペイン初、いやヨーロッパ初の死者が判明というニュースについてです。

ヨーロッパ初、ってもう既にヨーロッパ各地で亡くなった人がいらっしゃるじゃないか、確かヨーロッパで初めて亡くなった人が確認されたのはフランスの80歳の中国人の方だったはず…、とお思いの方、そうなんです。あれは2月15日のこと。

ですが、今回確認されたのは、バレンシアの69歳の男性で、亡くなったのは2月13日のことだったのです。実はフランスの中国人男性よりスペインの69歳男性の方が早く亡くなっていた、という後出しじゃんけんのようなことになってしまいました。

なぜ、今頃になってそれが判明したかといいますと…。

69歳男性は、バレンシアのアルナウ・デ・ビラノバ病院に入院していました。最初は一般病棟にいましたが、肺炎が悪化したため集中治療室に入院していました。新型コロナの可能性も疑ってもおかしくなかったのですが、当時の政府の方針としては中国関連の人のみが検査対象であったため、検査されることはなかったのです。ただ、69歳男性は直前にネパールに旅行をしていました。中国の隣の国です。とはいえ、ネパールは現在でも危険地域とは見なされていませんし、69歳男性の既往歴を見ても泌尿器科での手術歴はありましたが、高血圧や糖尿病といった新型コロナ感染者が重症化しやすいと言われるような基礎疾患はありませんでした。そうこうしているうちに、2月13日に亡くなられました。

ところが、2月27日になり、政府より新型コロナ感染に関する検査対象者の方針変更がありました。これまでの中国からの帰国者のみならず、検査の対象が広がったのです。具体的には、

  • 風邪のような呼吸器症状があり、過去14日以内に危険地帯(中国、韓国、日本、シンガポール、イラン、北イタリア)への渡航歴がある、もしくは陽性患者の濃厚接触者である
  • 重度の呼吸器症状があり、インフルエンザ等の他の病気の可能性が否定されている

これらのいずれかの条件を満たす限り、検査対象になったのです。

こうして、バレンシアでも、潜在的な新型コロナ患者探しが始まり、既に亡くなり荼毘に付されていた69歳男性のご遺体の検死が行なわれ、新型コロナウイルスへの感染が発覚した次第です。亡くなったら火葬してしまう日本ではできないことですよね。

一方で、原因不明で亡くなられた他の患者さんでは、新型コロナウイルスの感染者はいなかったもようです。

男性が亡くなった2月13日からは既に2週間以上が経過しているため、関係者の隔離措置等は検討されていませんが、濃厚接触者の有無についての調査は進めます。さらに、69歳男性の入院時にかかわった医療関係者には念のため、新型コロナウイルスの検査がなされます(情報元1情報元2)。

カタルーニャ州でも軽症患者の自宅隔離が開始

【2020年3月4日】

これまで、カタルーニャ州では軽症の陽性患者さんでも、バルセロナのオスピタル・クリニックに入院していましたが、感染者が増えてきたことを受け、昨日3日に判明した2名より、自宅隔離が開始されました。今後も、新型コロナウイルスの軽症者に関しては、自宅隔離の形になります。

現在のところ、カタルーニャ州で判明している感染者はみな、感染経路が判明している人たちです。また陽性患者の濃厚接触者の人たち(300人強)も自宅で経過観察をしています(情報元)。

マドリッドとカスティーラ・ラ・マンチャ州で子供3人の感染が判明

【2020年3月4日】

本日もう一つのニュースが、スペインにおいて新型コロナウイルスへの子供の感染が初めて判明しました。未成年者への感染としてはカタルーニャ州ジローナ県の16歳女性の陽性が確認されていますが、いわゆる「子供」ではありませんでした。

今回明らかになったのは3人の子供で、そのうち1人の詳細が明らかになっています。

マドリッドの4歳の女児

具体的には、マドリッドのパライソ・サグラドス・コラソネス学校に通っている4歳の女児です。同じく女児の両親の新型コロナへの感染も確認されています。この一家は、2月22日に親の出張への同行で、イタリアのベルガモへ滞在していました。女児には兄弟が1人いますが、この子は陰性で症状もありません。現在のところ、女児は咳のみで熱はなく、父親も咳のみ、母親だけが2月25日より、喉や胸の痛み、下痢、咳など具合の悪さを訴えていました(情報元1情報元2)。

カスティーラ・ラ・マンチャ州の2人の子供

残りの2名はカスティーラ・ラ・マンチャ州グアダラハラ県マルチャマロの4歳と11歳の子供です。現在は症状はなく、自宅隔離となっています。二人は兄弟ですが、それぞれ別の小学校に通っています。通っていた小学校の休校は現在のところ、予定されていません(情報元)。カスティーラ・ラ・マンチャ州の3月5日時点の感染者については後述しています。

学校関連の新たな感染者

学校関連では、昨日、マドリッドはモンテカルメロのサンタ・マリア・ラ・ブランカ小学校の男性教諭の新型コロナ陽性が確認されています。

そのほか、本日、マドリッドのフランシスコ・デ・ビトリア大学の職員の感染が確認されました。

さらに、イタリアへ旅行したビジネス・スクールの2名の学生の感染が判明しています(情報元1情報元2)。

うち1人目は、2月17~22日にマスターコースに参加するため、マドリッドのビジネス・スクール(IES)へ行き、その後イタリア旅行へ行きました。2月23日により具合が悪くなり、現在はマドリッドの病院に入院中です。

もう1人は、セゴビアのIESの生徒で、同じくイタリア旅行から戻った後、体調を崩し、セゴビア市内の病院に入院しています。

【2020年3月5日】

さらに5日になり、マドリッドのアルカラ・デ・エナレスのアルボラーダ学校にて、両親に陽性反応が出たため、その子供である3人の生徒が念のため隔離措置を取っています。生徒たちには症状は出ていません(情報元)。

スペインの学校の休校の予定は?

隣のイタリア(3月4日18時時点で感染者3089人、死者107人)では、国内すべての学校(大学含む)を3月5日~15日まで閉鎖することが決まりました(情報元)が、スペインは今後どうなるのでしょうか。

保健省のフェルナンド・シモン氏は、現在のところその予定はない、としています。というのも、「学校を休校しても、一般の人々への感染リスクを減らすことにはならない。むしろ、他の層のリスクを増やすことにもつながりかねない」というのです。どういうことかというと、子供の学校が休みになっても、両親が働いていれば、子供は誰かに預けないといけません。そこで、祖父母がその役割を担うことになれば、その祖父母の感染リスクが上がってしまうと(情報元)。

確かに、スペインでは日本の学童のような仕組はなくて、親族内の誰かかシッターさんに預けるのが基本ですからね。シッターさんに預ける習慣のない家庭は、祖父母等を頼るのはありがちなことなので、一理あるのかもしれません。一方で今後、状況が変われば、また別の対応になる可能性もあります。

サッカーやバスケの試合は無観客試合に?

【2020年3月4日】

バレンシア州では、2月19日ミラノのサンシーロ・スタジアムで行われた第一レグのアタランタ対バレンシアの試合(試合結果は4対1でアタランタの勝利)を観戦したサポーターやジャーナリストらが、その後新型コロナウイルスに感染していたことが判明しました。

現在バレンシア州の新型コロナ感染者は、3月4日午後7時の時点で、19人です。

一方、マドリッドの方もトレホン・デ・アルドスなどを中心に感染者が数多く確認され、4日午後7時の時点で70人となっています。

無観客試合になりそうな4試合は?

こうした状況を受けて、保健省は、危険地帯(例えば北イタリア)のチームと対戦するスポーツの試合を無観客試合にするよう要請しました。

この鶴の一声で影響を受けるのが4つの試合と言われています。具体的には、次のとおり。

サッカーの試合

  • バレンシア対アタランタ(3月10日のチャンピオンズ・リーグの第2レグ)
  • ヘタフェ対インテル(3月19日のUEFAヨーロッパリーグのベスト16の第2レグ)

バスケットボールの試合

  • バレンシア対アルマーニ・ミラン(3月5日のユーロリーガの試合)
  • ジローナ対ベネツィア(3月19日の女子バスケのユーロカップ)

バレンシアのバスケットの試合は明日に迫っているので…

ここで蜂の巣をつついたみたいになっているのがバレンシア。とりわけ、試合を明日に控えているバスケットボールのバレンシア対アルマーニ・ミランの試合については、無観客試合という保健省のお達しを無視して、観客ありきで実行する予定です。というのも、「試合チケットはイタリア人には売ってない」とか。

試合会場となるフォント・デ・サン・リュイス体育館は8000人の収容人数がありますが、うち7750席は年間座席保有者のものであり、残りの74席は地元で売った。だからイタリア人は来ない、なら、普通に試合できるでしょ、の論理のよう(情報元)。どうなるんでしょうね…。

【2020年3月5日】追記

結局、この試合も無観客試合で行なうよう調整できたようです(情報元)。

CLの試合は無観客試合になっても飛行機はやってくる

一方、3月10日のチャンピオンズリーグのメスタージャ・スタジアムでの試合は無観客試合になるようです(情報元)。この試合では、2400人のファンがイタリアからやってくる予定でした。

とはいえ、ベルガモーバレンシア間などのイタリアからの飛行機は予定どおり運航されているので、たとえスタジアム内に入れないとしても、イタリアからのサッカーファンがバレンシアにやってきて、同時期に開催されているバレンシアの火祭りまで一緒にエンジョイしちゃう、という可能性はあるでしょう。

とにかく無観客試合をめぐる各機関の調整はもう少しかかるのではと思います。

屋外イベントも大丈夫?

【2020年3月5日】

さらには、大勢の人が集まる屋外でのイベントも今のところ中止する予定はありません。具体的には、3月8日の国際女性デーのデモや、バレンシアの火祭りは予定どおり行われます(情報元)。

日本では、屋外イベントの「さっぽろ雪まつり」後に北海道で新型コロナウイルスの発症が急増したのですが、スペインは本当に大丈夫ですかね?

イスラエル、スペインを危険国認定?

【2020年3月4日】

これまで、スペイン国内では、中国、韓国、日本、シンガポール、イラン、北イタリアといった国々を「危険地帯(Zonas Peligrosas)」と称して、渡航を自粛するよう要請するとともに、当該国から14日間に帰国した人に対しては、新型コロナウイルスの検査対象としています。

今度は、スペイン自体を危険国に指定したのがイスラエルです。

3月4日午後の情報によると、過去14日以内に「スペイン、フランス、オーストリア、ドイツ、スイス」に滞在した人は、2週間の隔離措置が取れる住居等がない限り、イスラエルへの入国は禁止となります(情報元)。

現在イスラエルでは、15人の感染者が出ていますが、あれだけ小さい国だと、この手のウイルスは死活問題なので、大々的に他の国からの入国を制限するのはやむをえないことですね。

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